人生100年時代、サラリーマンと起業、どっちがトク?

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●会社の平均寿命、何年だと思いますか?

――23、5年です。

これって、今の人間の寿命の3分の1ですね。

AI、IoTによる第四次産業革命についていけないという会社が増えれば、寿命さらに短くなるでしょう。

●一方、人間の寿命は延びています。

人生は、まさに100年時代。

私たちは、会社の寿命の4倍、5倍の長さの人生を送ることになります。

この状態にため息をつくか、「よし、チャンスだ!」と思ってエネルギーを倍増させるかは、人それぞれです。でも、一度の人生、幸せに生きたいと願うのは当然のことです。

だったら、新しい価値を受け入れ、あるいは創り上げていく人生の方が楽しいのではないでしょうか?

会社が2度つぶれ、3度目もサラリーマンという生き方はつらい!?

せっかく新人で入社した会社が20年後につぶれ、仕方なく2度目の会社に転職し、その20年後、会社がつぶれ、60歳になって、3度目の会社に勤めなければ老後を生きれない――これがため息をつく生き方です。

しかも、2度目、3度目の転職は、キャリアが評価されないと、なかなか転職できません。これからの人生100年時代のこの生き方、ちょっとしんどくありませんか?

新卒で入社し、3年で3割転職する時代ですから、現実的ではありませんが、要は「会社にぶら下がる生き方」をするかどうかということです。

それでいいのであれば、スカウトがかかるぐらいに、日頃から自分のキャリアを磨いておく必要があります。

2025年、サラリーマン10人に1人が失業する!?

●中小企業庁の調査「2017年版中小企業白書」によると、2025年までに、全国382万社の中小企業のうち、127万社が廃業の危機を抱えています。

127万社――実に、中小企業の3分の1、という驚くべき数字です。

いちばん大きな理由は「後継者がいない」ことです。

現在、70歳以上の社長が全体の半数を占めており、このままでいくと、たくさんの企業が廃業し、それに呼応して失業者が650万人、国家予算の2割の22兆円が喪失すると試算されているのです。(経済産業省)

今回の「コロナウイルス問題」は、この問題に輪をかけた格好になります。

1度目はサラリーマン、2度目は経営者という生き方はムリ!?

次は、人生100年時代を「チャンスにする生き方」です。

◎1度目は営業の仕事、2度目はモノづくりの仕事と、複数の仕事を楽しむ生き方。
◎主の仕事と従の仕事を同時にコントロールする生き方。つまり副業を持つこと。
◎サラリーマンから起業する生き方。

いかがですか?イメージできますか?

複数の仕事を自分のものにするという生き方、副業を持つ生き方はイメージしやすくありませんか?

会社にぶら下がるのではなく、生活の安定・安心を担保にしながら、「+1」のチャレンじゃブルな生き方をすると捉えてみればイメージしやすいのではないでしょうか。

起業して経営する生き方はどうでしょうか?

・自分には到底できないと、始めから拒否感を持つ人。
・特別に優秀な人が起業するから自分は該当しないと思う人。
・起業したいけど、失敗や生活への不安・恐れからムリと捉える人。

こんな人たちがたくさんいることは事実です。

5人以下の小さな会社が8割。「ひとり社長」も身近な存在。

では、ここで経営者が実は身近な存在であるというデータを示します。

●日本の経営者はサラリーマンの15人に1人存在する。⇒前述した中小企業数は382万社。

つまり、382万人の経営者がいて、6000万人のサラリーマン15人に1人存在するのです。

●中小企業数は限りなく100%に近く、その8割以上が従業員5人以下の会社や個人事業主。⇒ 日々マスコミ報道される大企業は圧倒的に少なく、「ひとり社長」も多い。

そして、今回のコロナウイルス問題で、「テレワーク」「巣ごもり」の時間を利用して、次のような人たちがたくさん登場しています。

・収入のこともあり、この機会に副業を始める人たち。
・オンラインでできる起業に向けて学習、準備を始め出した人たち。
・ザックリとではあるが、会社に頼らず自立して生きようと目覚めた人たち。

企業の社長は、あなたにとって、実はとっても身近な存在なのです。

自分の商品・サービス、安心の資金、志があれば、それがイコール人、モノ、金という経営資源になり、起業ができるということなのです。

「ひとり社長」でネットビジネスをする場合、一概には言えませんが、資金は少なく起業できますね。

起業の成功は「一般サラリーマン能力」があればいい。

さて、世の中の会社の圧倒的多数が、中小零細企業、個人事業主であり、そんなに目立たず、地味にコツコツ経営している人たちです。

その経営でいちばん必要な経営者能力は何でしょうか?

――それは、「一般サラリーマンの能力」です。

では、その能力がいちばん大切な理由は何でしょうか?

――それは、「会社をつぶさない能力」なのです。

そう、起業するなら、最低限、会社をつぶさない能力が必要なのです。
その能力は、サラリーマン経験がベースになるということを覚えておいてください。。それでは、そのサラリーマン能力の中身とは何でしょうか?

あなたが今まで、サラリーマン生活を10年送ってきたとしましょう。

・コツコツ精神・・・(満員電車で)毎日定時に出社。地味なルーティンワーク。スケジュールに基づいた仕事運び。

・我慢強さ・・・上司からの容赦ない介入・仕事の丸投げ。部下・後輩の失敗の尻ぬぐい。取引先からの過度な要求。

・和の精神・・・社内の人間関係の仲裁役。顧客トラブルへの対応。

・マネーコントロール・・・シビアな経費のチェック。少ないお小遣いでのやり繰り。目標達成に向けた売上数字の積み上げ。

・セルフコントロール・・・健康維持。ストレス発散。マインドフルネス。

いかがですか?

ひょっとしたら、これはどれもが当たり前のことで、能力でも何でもないと思いますか?

とんでもありません。これが、会社をつぶさない最も大事で、ベーシックな能力なのです。

これがなければ、会社はつぶれてしまうかもしれません。

・・・少し、ホッとしましたか?

私は起業して30年間会社を経営してきましたが、無茶・無理をして失敗した経験はありましたが、自分の器で経営しようと決めてから、会社は立ち直りました。
前述の5つのサラリーマン能力に気づいたからです。

よく眺めてみてください。

このサラリーマン能力を磨いてきた10年のあなたの過去を、振り返ってみてください。

正直なところ、大変ではありませんでしたか?

でも、この能力が、あなたが起業した後、大きく力を発揮するベースになるのです。

「いや、私はまだ・・・」と言う人は、今から起業までの間に磨いておくようにしましょう。

サラリーマンと起業、どちらがトクか?

二者択一する前に、その判断基準とも言える、人生100年時代を前に「会社にぶら下がる生き方」をするか、「チャンスにする生き方」をするかどうかにかかっているのではないでしょうか。

会社にぶら下がるにしてもキャリアを買われるという前向きなぶら下がり方がありますし、起業するにしても、事前準備を怠ったり、サラリーマン時代の顧客にぶら下がったりしたら、起業が失敗する確率は高いです。副業で足掛かりをつけて起業という手もあります。