テクノロジーは「2040年」の労働者の味方か?敵か?

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人手不足を解消するテクノロジー。その後は・・・?

2040年までに地球温暖化に手を打たないと地球が大変になってしまうと言われています。世界が二酸化炭素削減に本腰を入れている理由はそこから来ているようです。

そういう環境問題を踏まえ、待望の本が出版されました。

それは、『2040年の未来予測』(成毛眞氏著:日経BP刊)という本です。成毛氏は、元日本マイクロソフト代表取締役社長ということもあり、世界的な視点から物事を捉えています。

3回に渡ってご紹介したいと思います。
その第1回目は、「テクノロジーと人手」に関して。

成毛氏は、しばらく続く日本の人手不足社会に対して、テクノロジーが有効に働くと言います。

たとえば、コンビニやスーパーは無人店舗になり、医療技術はAIのおかげで格段に進歩し、薬も効率よく処方できる。
5Gから6Gになり、早く大量の情報のやり取りができるようになる
すべてのモノがインターネットに常時接続される。

そんな時代になれば、「人手」がAIに置き換わり、人手不足が解消されていくというのです。

パーソル総研と中央大学合同の調査発表(2020年12月)によると、2030年時点で、労働需要が供給を644万人上回るようです。つまり、644万人人手不足になるということです。

それを、AIを初めとするテクノロジーがカバーできれば、確かに成毛氏のいう世界は現実になるでしょう。

ところで、少子高齢化による労働力不足のスピードを、AIなどのテクノロジーのスピードが越えてしまったらどうなるか・・・私見ですが、ひょっとすると、人手が余って、逆に失業者が増えてしまうかもしれません。

そうなると、AIに奪われない仕事は何か、アンテナを張り、その仕事をできるようにしておく必要がありそうですね。

昭和の高度成長は、やはりテクノロジーのなせる業。

さて、歴史を巻き戻し、昭和の高度成長期に戻ってみます。

戦後の物資不足で生活苦にあえいでいた日本が復活し、大量生産によって豊かになっていった高度成長期ですが、ここで質問です。

Q.労働力が一挙に増えたわけでもないのに、果たして大量生産を可能にしたものは何だったのでしょうか?

A.それは、機械化です。

大量生産を可能するためには、人の手だけでは足りません。
当時、外国人労働者はほとんどいません。
高齢化社会になる前の時代ですから、高齢者の力を借りることもできません。

そこで編み出したのが、やはり「テクノロジー」だったのです。
大がかりな設備投資をして、大量生産できる機械を導入し、それが高度成長を可能にしたのです。

50年前も、成毛氏が予測する20年後も、労働力をカバーするキーワードは「テクノロジー」なのです。

そう考えると、人間の叡智とはすごいものだなと思わされます。
今も昔もこれからも、テクノロジーは歴史を進化させてきたわけですから。
反面、環境を破壊し、戦争に発展してしまった時期もありましたが・・・。

20年後の起業家は、空飛ぶクルマに乗っているかもしれない。

『2040年の未来予測』のchapter1「テクノロジーの進歩だけが未来を明るくする」を読むと、ワクワクします。

空飛ぶクルマ、難病を治すゲノム編集技術・再生医療、バーチャルの日常化など、テクノロジーが変える未来を映し出してくれています。

読んでいくうちに、「たぶん、そうなるだろうな」と思ってしまうのが不思議です。もちろん、成毛氏の慧眼によるものですが、プラスして二つの背景が、納得感を高めてくれているのではないでしょうか。

ひとつは、現実に起こっていることに、一部私たちが既に触れていることです。
ユニクロに行けばレジが一瞬で計算してくれます。5Gは現実化してきています。

もうひとつは、コロナ禍によってテレワークが常態化するなど、世の中の常識が覆り、頭が柔軟になってきていることです。

今私たちにできることは、まずはテクノロジーを受け入れ、それに親しむことではないでしょうか。

そして、あなたが起業を考えているのなら、このテクノロジーを味方にし、その先にある未来社会に貢献するビジネスを思い描いてみてはどうでしょう。

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