「ピンチをチャンスにするんじゃない。ピンチがチャンスなんだ」

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月産1億5000万枚のマスクが、国民の混乱を収めた会社とは?

昨年のマスク不足で、私たち日本人が混乱をきたしている時に、それを救ってくれた会社があります。

どの会社か、思い浮かびますか?

アイリスオーヤマです。

東北の宮城県仙台市を本拠地とする、生活用品の企画、製造、販売の会社です。
現在は3年前に現会長、大山健太郎氏から2018年に社長を受け継いだ大山晃弘氏です。
グループ売上高は6900億円。

なんと、大山晃弘氏が社長に就任してからのこの3年で、実に2倍近くの売上アップを果たした企業なのです。

ちなみに、最近は家電や企業向けのオフィス家具などの新業態も開拓し、1兆円企業にチャレンジしようとしています。

このアイリスオーヤマ、何をもって私たちを救ってくれたと思いますか?

こんな風景を想像してみてください。

昨年のある日の定例の「月曜会」。
社長始め役員が勢ぞろいする中、社員2名が新商品のプレゼンテーションを行っています。
社員の提案のテーマは「マスク製造・販売の事業計画」。
月産1億5000万枚の製造・販売。
実に30憶円の大型の準備資金が必要です。

社長は、いくつか質問した後、

「よし、やろう。」

と、その場で決済の印鑑を押印しました。

そしてこう言ったそうです。

「すぐに」

その結果、どうなったでしょうか?

数カ月の準備期間で、アイリスオーヤマは計画を実行に移し、マスク市場の混乱を収めたのです。

もちろん、他社のマスク製造やアベノマスクなどの貢献もあったと思いますが、アイリスオーヤマの貢献はとても大きなものでした。

6000万人の就業者の月2~3日分のマスクを確保できたのですから、社会貢献と言ってもいい経済活動と言えます。

国民に貢献して会社を成長させるという、典型的な社会貢献ですね。

仮に1枚を洗って使い回したとしても、月の半分はどうにか着用できるわけですから・・・。

ところで今、あなたはアイリスオーヤマのマスクを使っていませんか?
よく見てみましょう。

私の場合、何気なしに購入していたマスクは、30枚入りの「DISPOSABLE MASK プリーツ型マスク」、アイリスオーヤマ製でした。見て初めて気づきました。

社員の提案をトップが即断即決。しかも毎週実施の徹底ぶりのスゴサ。

アイリスオーヤマが成長してきたのは、こういう新商品をタイムリーに計画・生産・販売しているからです。

「月曜会議」でトップが即断即決するからなせる業です。

そして、社員に新商品の提案の機会を常に与えているからです。

この徹底ぶりによって、アイリスオーヤマは、毎年1000点の新商品、モデルチェンジ品を生み出しているのです。

もうひとつ。
ベースになる技術にこだわっていることです。

最近のアイリスオーヤマは、家電商品の開発に余念がありませんが、そのバックボーンになる技術力を得るために、率先して家電業界に在籍していた技術者を受け入れているからです。

ピンチがチャンスになる商品開発、3つの考え方。

大山会長はこう言います。

「ピンチをチャンスにするんじゃない。ピンチがチャンスなんだ」

この言葉を言わしめているアイリスオーヤマの商品開発の考え方はどんなものなのでしょうか?

私は、次の3つに集約されるのではないかと整理してみました。

・時代の「困っている」「これがあったらいいのに」というピンチニーズが商品開発の発想の原点になっていること。
・ベースの技術力にこだわっていること。
・「実行するならすぐ」という社内体制をしっかり作っていること。

この3つのトライアングルが消費者の購買意欲を喚起し、ファンを増やし、会社を成長させているのではないでしょうか。

いかがですか?

あなたが今、起業を考えているなら、コロナ禍によって時代の変化を余儀なくされているニューノーマルのこの時代、アイリスオーヤマの3つの商品開発に関する考え方を参考にしてみてはいかがでしょうか?

これこそが、ニューノーマル時代の考え方ではないでしょうか。

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