・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・私が会社を第三者に事業承継したのは会社を経営して25年経った時でした。
その間、会社を倒産の危機に追いやったことが2回ほどありました。
応援してくれていた両親が立て続けに他界しました。
複数のベテラン社員を後継者として育成しようとしましたが、ことごとく失敗しました。
そして、ふとしたことがきっかけとなり、1年後には会社を売却することになったというわけです。売却に至るまではさまざまな葛藤がありました。
今回は、シリーズで、そのてんまつを小説仕立てでご紹介します。
今回は最終回です。
読んでいただけたら幸いです。
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きっかけをくれた仕入先から、1冊の嬉しいプレゼント
振り返ると、会社の売却を考えるきっかけになったのは、会社のスケールを大きくすることを、仕入先メーカーに要望されたことでした。
正直、相当悩みました。
それは、私の会社だけではなかったのです。現に、エグジット先のHの会社も、同じようにスケールを求められていたからです。
案の上、Hも相当悩んだようです。
他の業界も、似たり寄ったりではあるでしょうが、人材採用の業界は、変化の著しい業界です。新しい商品開発も待ったなしでした。
だから、仕入先のメーカーは、その激変業界のリーダーシップを執るために、我々に大きな変化を望んだのです。
振り返れば、それは大きなチャンスでした。
おかげさまで、「会社エグジット」の選択肢を選ぶことで、前々から温めていた、自分のやりたかった夢に向かうことができたのです。
売却するきっかけを与えてくれた仕入先メーカーに、心から感謝しています。
そして、仕入先メーカーのスタッフの皆さんは、人生の恩人たちです。
会社が合併し、私の会社の名前がなくなった時、メーカーは1冊の冊子をプレゼントしてくれました。
「アドステージ魂よ、永遠に」というタイトルの冊子がそれです。
25年間の中で関わってくれた、41人の仕入れ先メーカー側のスタッフ、同業の社長仲間たちのコメント、そして、どこで拾い集めたのか、たくさんの懐かしい写真、かつての社員たちと写った写真・・・私は最高のプレゼントを、仕入先からいただいたのです。
「お客様からの大きな信頼と、たくさんの求職者にhappyを提供し続けてきた実績は、
東海マーケットにおいて、かけがいのない財産となっています。採用を通じてお客さんの事業を支え、牽引されてきた、学さんの教えは、アドステージに関わったすべての人に受け継がれます。『お客様のそばで自己実現』の想いを胸に、次なるステップを歩むみんなをこれからもよろしくお願いします!がくさん、有り難うございます!」
これは、その冊子のあとがきです。
少し照れますが、紹介させていただきました。
この冊子を編集してくれたNUさんには、心から感謝しています。
一生、大事にしますね。
会社エグジットによる「退職者ゼロ」がいちばんの喜び
H氏と「仮に組むとしたら・・・」から1年。私は会社をエグジットしました。
そして、その後の1年の統合。Hの会社は、私の会社とのシナジー効果によって、価値を増大させました。
社員は、確実に成長し、仕入先メーカー・顧客からの評価も格段に上がっています。
おかげさまで、会社エグジットによる退職者はゼロでした。
「社員の成長ために会社エグジットする」という目的は成就することができました。
私の会社エグジットの成功は、エグジット先のHと、スカウトしたOというトライアングルの存在があったからです。
私は、ひとつ自分に約束していたことがありました。
それは、自分の第2の人生を幸せにスタートするためには、周りの大事な人たちの幸せが必要条件、というものでした。One for AIIの精神、つまり、「全員幸せの法則」です。
いかがでしたか?
少々生々しい部分もあったと思いますが、これが、私の一連の会社エグジットのドラマです。ポイントは、自分が陣頭指揮を執り、大事な協力者を相棒として活動したことです。
すべての人が幸せを享受できたかは分かりません。それは、その人の心の中にしか回答がないからです。
でも、全員を幸せにすることを目的に、会社をエグジットすることは、紛れもなく愛ある行為なのです。
あなたの「愛の会社エグジット」を一度描いてみてはいかがでしょうか。
そうすれば、あなたの次の時代がゴールドのように輝くはずです。
(了)
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