18歳未満の、家庭を支える「ヤングケアラー」に愛の手を
今、政府が「こども庁」創設に向けて議論していることはご存知ですか?
なぜ「こども庁」なのか・・・その最大の理由は、貧富の差によって貧困家庭が増えてきたからです。
「ヤングケアラー」という言葉、聞いたことありませんか?
本来大人が担う責任を引き受け、病気や障害などケアが必要な家庭の世話や家事をする、18歳未満の子供のことをいいます。
どこにも頼めず、小中高校生の子供がやらざるを得ないほど、貧しい生活を余儀なくされているのです。
こういう状況の中で、「こども庁」がなぜ必要なのか?
それは、行政のタテ割り構造によって、ヤングケアラーなどの貧しい家庭の子供に充分な対応ができていないからです。
そう、問題は「タテ割り行政」なのです。
幼稚園は文科省、保育所は厚労省、認定こども園は内閣府というように、子供のいる家庭への対応は3府省にまたがり、協力体制が取れていません。
ひとつのことで対応が違ったり、どこに相談したらいいか分からなかったり、肝心なことが漏れていたりするわけです。
このタテ割行政によって漏れた問題のひとつが「ヤングケアラー」なのです。
コロナ禍によって、タテ割り行政は問題解決を遅らせることが分かった
これは、行政において、今に始まったことではありません。
長きに渡り、複数の省庁にまたがっていたデジタル部門を統括するために、やっとこの9月に「デジタル庁」が発足するのと同じです。
今回のコロナ禍による国民への支援金の遅れという事態がなければ、発足はもっと遅れたでしょう。
そうです。コロナ禍によって露出してきた問題の多くは、今までのタテ割り行政では対応できなくなってきたというわけです。
そんなニューノーマルの時代に対応するために、3府省を横断化し、「こども庁」を創設しようということになったのです。
現在は、各府省とも(たぶん権益を守るために)、水面下では抵抗を示しているようです。
民間企業はタテ割経営が会社の成長を阻むと分かれば、すぐ組織改革(構造改革)を行います。そうしなければ、会社を存続することができないからです。
本来、行政も同じはずです。
タテ割り行政が国民を苦しめるなら、すぐ構造改革(組織改革)をすべき問題です。
細かな問題に早く対応する体制を作ることは当然のことです。
日本の未来のために、「こども庁」を早く発足させ、ヤングケアラー問題を真っ先に解決する方向で動いてほしいものです。
ちなみに、GDPに占める子育て関連支出は、イギリスやスウエーデンの3%超に対し、日本は1,65%(2018年度)と格差があるのが現状です。
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