事業拡大の短期成功を狙うなら会社を買うこと。その買収側の5つの大きな理由。

short-term

前回は、➀の販路拡大、②のシェア・アップについてのお話でした。今回は前回に引き続き、③の商品開発・新規事業、④の人材確保、⑤の技術力確保・次世代オファーについてのお話です。➀②に関しては、この文章の後から、戻って読んで頂けるようにしてあります。

③商品開発、新規事業を成功させる近道

全く畑違いの事業を行っている会社からオファーを受けるケースがあります。

なぜ買いたいと言ってくるのか、不思議に思うかもしれません。

でも、理由を聞いてみると、なるほどと納得することがあります。

新しい商品を開発して、自分の会社の販路に乗せたいんだけれども、商品開発にコストと時間がかかる・・・どうしようかと情報を集めてみたところ、望む商品に近いものを作っている会社があった。それがあなたの会社だった、とすればどうでしょうか?

想像してみてください。

買収先は、あなたの会社の商品を磨き上げて販路に乗せれば、開発コストと自社開発にかける時間と、あなたの会社を買収するコストと時間を天秤にかけ、最終的に、買収した方が有利となれば、あなたの会社に「売りませんか?」と声をかけてくるということです。

新商品を開発したり、新規事業を短期に成功させるための方法として、会社の売買は有り、ということです。

また、最近では、サラリーマンが会社を買う時代になりました。

他の本のPRになってしまいますが、

「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」
「0円で会社を買って、死ぬまで年収1000万円」

この2冊がベストセラーになりました。

さて、なぜベストセラーになったと思いますか?

自分で最初から起業するよりリスクが少なく、短期で事業を軌道に乗せれるからです。

私も経験しましたが、起業することはカンタンにできますが、事業を軌道に乗せるまでは、大きな不安が伴います。

軌道に乗る前に、お金が底をつき、会社を廃業させるケースもたくさんあります。

だったら、リスクを抑え、既に有る会社を買って、短期に事業を軌道に乗せようということです。

サラリーマンにとっては起業のリスクが少なく、後継者のいない会社側にとっては事業承継ができる――まさにお互いのニーズが合致する、というわけです。

後継者のいないあなたが会社を売却することは、事業が存続することになり、社会的に歓迎されることになるのです。

早く事業を軌道に乗せたい会社も、個人も、今や世の中にたくさん存在することに、目を向けましょう。

④優秀な人材を確保をするための最適解

つい最近まで、人材難の時代が続いてきました。外国人採用の枠を広げる法案も通りました。

年金支給との関係も大ありですが、65歳以上、いや、70歳以上も働くように、国から指針が出ています。
実際、65歳以上の労働者は、急激に増えています

転職による労働移動も推進するよう、国が呼びかけています。

・2020年のコロナ禍によって、人材採用を手控える企業が圧倒的に増えました。未経験者を採用して教育するよりは、経験者採用で、落ち込んだ業績を上向かせようと努力しています。でも、望む経験者はなかなか採用できません。
・それなら、ということで、望む人材が複数いる会社自体をM&Aしようという動きが活発になってきているのです。

国も、中小企業の廃業を防ぐため、第三者への事業承継、会社の売却をバックアップするため、事業引継ぎ支援センターを、47都道府県に配置しています。

ところで、中小企業が廃業する理由は、大きく分けて、今までは3つありました。

・社長が高齢になり、後継者がいない。
・業績が悪化。
・人手不足。

そう、人手不足で廃業する会社が増えていたのです。
その証拠に、廃業する会社の半分が黒字廃業でした。

そこに、今回のコロナ禍です。
廃業する会社が増え、それに歩調を合わせるように失業者が増えています。

会社を売却して、事業そのもの、そして社員を中心とするステークホルダーを救おうとする社長は増えていくことは間違いありません。特に、同業同士の合併が推進されていくものと推測されます。

そういう時代背景もあり、社員の磨き込みをしてきた会社は、買収側から高い評価を受けることになるのです。

あなたの会社の社員は、いかがですか?

新時代に即応するための次世代オファー

今はAI、IoTによる第四次革命期にあります。

今までのビジネスの歴史は、技術力を磨いて売上を上げ、ムダを極力排除してきました。

・いかに早く顧客ニーズをキャッチして売り上げを確保するか。
・いかに経費を抑えるか。

その売上と経費の差、つまり利幅を大きくするために、技術は日進月歩していきました。

コンピュータ→パソコン→スマホを武器に、ネット社会を構築して、非効率なものを排除し、時間短縮を図ることで、飛躍的に生産性を高くしてきたのです。

そのための顧客情報管理、業務のシステム化、営業の効率化・・・そして、これからはAI、IoTの世界になっていきます。

さて、あなたの会社は、この革命期に、生産性を高める準備をしているでしょうか?

まだ遠い話、今のままでも会社は存続できる、と思っていませんか?

ほとんどの中小企業は、まだこの産業革命への準備はされていない状況にあるではないでしょうか。

コロナ禍によって、テレワークに着手し、このままではまずいと目を覚ました経営者も多数いるはずです。

一方、社長や社員が高齢化し、どう準備していいか分からないという企業が多いのも実情でしょう。

60代以上の社長が全体の6割占めていますから、今こそ、30~40代に席を譲り、産業革命を味方に、会社の存続を考えた方が良さそうです。

たとえば、40代のIT系の会社の社長が、たくさんの顧客資産を持った、あなたの会社に興味を持ったとします。

気持ちが動きませんか?

顧客は、あなたのところじゃなければ買えない商品やサービスではない限り、新しい時代に対応できる相手と取引していくでしょう。

時代に対応できなければ、顧客が離れ、廃業の危機が訪れます。
革命は一挙にやってきます。
こんな時代に、高い技術力を持った会社が秋波を送ってきたら、チャンスではないでしょうか。

すぐ飛びつきましょう、と言っているわけではありません。
しっかり検討して決める価値はあるのではないか、と言いたいのです。

廃業は会社を終わらせることです。
多くは、周りに迷惑をかけます。

新しい時代に適応できる若い会社に事業承継する=会社を売却するというのは、ひとつの自然な流れなのではないでしょうか。

➀の販路拡大、②のシェア・アップについてはコチラから↓

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