卑屈になって会社を売り急いだら、ロクなことはない

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あなたが会社エグジット(第三者への売却)で交渉の場にいるとしましょう。

交渉する時に、やってはいけないNGルールは何だと思いますか?
どんな交渉をするか、事前にシミュレーションしておくことをお奨めします。

次にあげるポイントは、私の経験、会社エグジットした社長仲間たちの経験を通して得たものです。

シリーズでお届けしています。
参考にしてください。

◇交渉時のNGルール③/卑屈な態度

☆昭和の高度成長期、会社にとって「お客様は神様」だった

昭和の時代、「お客様は神様です」という言葉がまかり通っていた時がありました。
平成元年に30歳を迎えて独立した私からすれば、これは脳に刷り込まれ、体に沁み込んだ言葉でした。

この言葉の良し悪しを、ここで論じるつもりはありませんが、今のゴールド世代(60歳以上)は、そのような時代に前線で仕事をしていたということです。

お客様は、私にお金を下さる尊い存在――。すべてとは言いませんが、そんな思いで経営してきた過去を持つ社長は多いことでしょう。

「明日までに仕上げてこい!」
「こんなんだったら、金は払えん!」
「そこを何とかするのが君の仕事じゃないのか?」

無理難題を押しつけられ、理不尽なことを言われても、「わかりました」とがんばる。
お客様が感情を害したら土下座もいとわない・・・そんな記憶がフラッシュバックします。

あなたは、どのような過去を思い出しますか?

☆会社を売るまで、相手をあくまで「パートナー」と位置づけよう

現在では、無理難題を言う理不尽なお客様は神様ではありません。ハラスメントをするモンスターとして忌み嫌われます。

昭和時代の習慣が顔を出し、会社エグジットの交渉の場面で下手に出ることだけは避けましょう。

あくまで、契約を結ぶまでは対等です。
それを忘れないようにしてください。

下手に出るという卑屈な行動をとった結果を想像してみてください。

 その卑屈な行動の背景には、どのような思いが隠れているでしょうか?

・高く売りたい
・何が何でも売りたい
・早く売りたい

金額とスピードが、思いのほとんどを占めているはずです。
思いの中に、社員や家族、売却先の今後の幸せは、どれぐらい入っていますか?

早く売り抜けたい一心で売ったとしても、卑屈な態度から出た話を真に受けた売却先が、話が違うとクレームをつけてくることだってあります。

交渉には、対等に意識で、そしてゆとりを持って臨みましょう。

相手はお客様ではありません。
会社を譲渡するパートナーです。

互いの将来の幸せをマッチングするパートナーであることを忘れないでください。

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