「すべての道はローマに通ず」と日本の共通点とは?
「すべてに神様が宿っているんだよ」
神棚、仏壇だけじゃなく、台所、トイレにも小さなモチを備える父と母。
「なぜ、そうするの?」
幼い自分が質問した時、母か、父か、どっちからの返答だったろう、
私の質問に親は冒頭のように答えてくれました。
日本の神は動植物や自然だけじゃなく、つくられたものも含め、すべてに神が宿ると私は教えられました。
つくられたものであれ、素材そのものは生きとし生けるもの。
だから感謝しなさい・・・これが私の中にある、ずっと変わらない解釈です。
日本人は、クリスマスの後に除夜の鐘が鳴っても、疑問に感じることはありません。異文化に対しても、違う宗教に対しても比較的寛容です。
かつて同じような国がありました。
ローマです。
「すべての道はローマに通ず」
どんな宗教を信じていても、肌の色が違っても、まったく異なる文化でも、ローマは受け入れますよ、という格言です。
あれだけの広い支配圏を創ることができたのは、その考え方があったからでしょう。ローマも日本も、寛容な国民性をもっている。私はそうとらえています。
起業するなら、己を知り、隣人を大事にすることから始めよう
多民族国家という意味では、アメリカも寛容性のある国に見えます。
アメリカは自由と自己責任が入国するためのパスポート。
だから、多様性を大事にするように思えますが、アメリカから帰国した知人に聞くと、アメリカはひとつの方向に向かうと、その単一性の恐ろしさに目をみはると言います。
欧米人の多くの思考や行動は神と個人の契約がもとになっています。
だから、ひとつの方向に行きがちです。
日本もそういう時代はありましたが、自分とは異なる存在にも神が宿っている——その寛容性によって、長い歴史で見ると、多様性を受け入れてきました。
仏教と神道とキリスト教の同居、合戦相手の武田騎馬隊を受け入れた徳川家康、一部幕閣を起用した明治政府・・・この寛容性と多様性は日本独特のものです。
日本とローマが脈々と引き継いできたDNA。
これからの時代は、ローマや日本が大事にしてきた多様性と寛容性が花開いていきます。
ネット社会がそれを後押ししています。
起業するなら、己を知り、隣人を大事にし、異なるものにも宿る神に呼び掛けるビジネスをしていきましょう。
「すべてに神様が宿っているんだよ」
父と母と過ごした年末年始を思い出します。
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