社員ひとりの採用で、会社のファンが1年で250人増える
会社の存在価値を上げる最大の力は何だと思いますか?
それは、「社員の力」です。
社員は、1日の3分の1の時間を使って会社の仕事をします。
コロナ禍によって、もう少し時間は短縮されているようですが。
個人向けの商品を扱っているのであれば、社員は最大の消費者です。
メーカーやメーカー系列の販売店なら、まずは自社の商品を利用するものです。クルマしかり、日用品しかりです。
しかも、それは社員一人ひとりだけではありません。
社員の親兄弟、親戚、友人などの「身内」に消費のすそ野が広がっていきます。
また、社員は、与えられた時間の中で、身内以外の「第三者」にもPRしてくれます。そうすると、さらに会社のファンが増えていきますね。
これって、スゴイ連鎖だと思いませんか?
ひとりの社員を採用したとします。
「身内」が9人としましょう。
そして、一日ひとりの「第三者」にPRしたとしましょう。
1年間の勤務日が240日なら、240人になりますね。
自分と身内を入れて、合計250人のファンができるのです。
4年後には1000人になります。
4人採用すれば、1年で1000人のファンができます。
社員の存在って、大きな力だと思いませんか?
社員を大切にしなければ、マイナスの「口コミ要員」に変わる
しかし、「社員の力」は両刃の剣です。
社員に嫌われたら、会社の存在価値は一挙に棄損します。
中小企業の経営者なら、そのことを肝に銘じておきたいものです。
コロナ禍によって、現実問題、今日明日の経営で社員のことを考えている余裕はないかもしれません。その場合は、原点に戻って、社員に今の会社の苦境を知ってもらい、協力を要請してみましょう。
社員は会社のファンであり、パートナーという存在でもあるからです。
仮に社員が去ってしまうにしても、一緒に苦境を乗り越えようとする姿は、社員の自立心を呼び起こすはずです。
経営者もひとりの人間です。
コロナ禍に影響されて苦しむ人間の姿を見たら、社員も協力者に変わるはずです。
これから起業を考えているあなたも、「社員の力」を知っておきましょう。
大切にすれば、プラスの力になり、ないがしろにすれば、マイナスの力になります。しかも、それは、どちらも大きな力です。
「ひとり社長」でも起業はできます。
「ネットの力」で、商品・サービス・社長個人の存在価値を上げることは可能です。
しかし、会社の存在価値を「口コミの力」で広げていくなら、社員の力を借りる経営は会社を強くします。
ところで、社員を大切にするいちばんのコツは何だと思いますか?
それは社員の「心理的安全性」を確保することです。
最終決裁は経営者である社長がするのは当然ですが、その前に、社員がどんなことでも周りに発言できる環境を作ることです。
その発言の通りに物事を進めようというわけではありません。
「何でも言える」環境にあるかどうかが大事なポイントです。
その環境があれば、社長が弱音を吐いたとしても、社員はパートナーになってくれるのです。
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