母が初めて夢に出てきたのは、父が亡くなったその夜だった

third-place


忘れてあげることが一番の親孝行とは言うけれど・・・

最近、父と母が夢に現れる回数が増えました。

何か、自分では気づかない悩みが親を呼び込んでいるのかなあと、そのこと自体に悩んでしまいます。

前に周りからよく言われました。
「忘れてあげることが一番の親孝行、供養だよ」と・・・。

でも、あえて忘れることは自分にはできないようです。

母が亡くなった後、会いたい気持ちを抑えることができない時期がありました。
せめて夢にでも現れてくれればいいのに、現れてくれません。

そんな時、ひょんなことから、ある有名な祈祷師に出会うことができ、亡くなった母とやり取りできないか、お願いしてみました。

「あなたのそばには、どうやらいないみたいだね。お父さん、どこかの病院に入院しているのかな?・・・(はい)・・・お母さん、そこにいますよ」

ショックは隠しきれませんでした。
しばらくその場で呆然としてしまい、祈祷師の呼び掛ける声も耳に入りませんでした。

息子への『夢訪問』は、単純にうれしい出来事

ところがです。

半年後、父が亡くなり、遺体のそばで添い寝をしていたら、なかなか眠れない中、父と母がペアで夢に出てきました。

今まで夢に出てくれなかった母が父を伴って現れたのです。
その顏には笑顔が浮かんでいました。

(お父さん、連れていくね。しっかり生きるんだよ)
私はそう語りかけられたような気がしました。

父を不憫に思い、母が連れていったのでしょう。

それにしても、父が入院していることを言い当てた祈祷師には驚かされました。

「立て続けに亡くなるなんて、ご両親は本当に愛し合っていたのですね」
たくさんの方からそう言われました。

身近すぎたのか、鈍いのか、『両親が愛し合っていた』という言葉を実感できたのは、しばらく後のことでした。

いや、『愛し合っている』のです。
いまも夢にペアで出てきますから。

(しっかり生きているか)
きっと励ましにやってきているんじゃないか。
そう感じます。

息子への『夢訪問』は、単純にうれしい出来事です。
だから、「忘れてあげること」に悩まないことにしました。