起業と事業承継、成功へのキーワードは社長への「トップアプローチ」

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社長の2大事業は「起業」と「事業承継」

私が起業したのは平成元年。
世界では、3つの大きな事件が起こった年でもありました。

・米ソの冷戦終結
・ベルリンの壁崩壊
・中国の天安門事件

世界が大きく変貌を遂げようとしていました。

そしてその30年後、元号が令和に変わりました。

その間に大きく変わったことと変わらなかったことをひとつずつ取り上げるとしたら、あなたは何を取り上げますか?

私の場合、変わらなかったことは「サラリーマンの給与が上がらず、実質目減りしたこと」
ちょっとマイナスな話題になってしまいます。

大きく変わったことは「第三者への事業承継が5倍に増えたこと」
平成をはさんで4%から20%に増えているのです。

後継者のいない中小企業の社長が吐息とともに増え、今では全体の3分の2を占めていますから、第三者に事業承継せざるを得ないという事情もあるからでしょう。

しかし、両者とも経済問題を越え、どちらも大きな社会問題になっていると言っても過言ではありません。

サラリーマンの給与が増えず、円安、コロナ、戦争が原因で物価が上がり、ますます生活に支障をきたしているからです。

事業承継もまだ道半ば。原因はさまざまですが、社長はなかなか会社を手放そうとしません。

経産省の予測によると、2025年に3分の1の中小企業が廃業する可能性があると予測しています。そうすると、連動して全就業者の1割、650万人が失業することになります。経済損失は22兆円。国家予算の2割に匹敵します。

だからこそ今、社長は事業承継を、次の世代は起業にパワーを発揮してほしいのです。

まさに、1社長の問題から日本全体の社長の問題になっているのです。

起業するなら「社長」を見込み客にしておこう

今のサラリーマンは出世意欲が低いと言われています。

部下の面倒を見ながら業績を上げろ、次の開発も進めろと、過大な要求が押し寄せてきますから、中間管理職は不人気。実に7割のサラリーマンが出世したくないという調査結果も出ています。

無理もありません。
昭和の管理職のように「指示だけ上司」ではいられず、「プレイイングマネジャー」にならざるを得ないからです。

給与が上がりませんから、副業して家計を補っている人もいます。

それなら、自分で起業して社長になったらどうですか?
それが私の提言です。

ただ、勝算がなければ起業してもうまくいきません。
では、その勝算はどのようにつくればいいか。

私の体験をベースにお話しすると、「社長」にトップアプローチし、見込み客になってもらうということに尽きます。

メリットは5つあります。

・いちばん会社を辞めない人
・決裁権があって、速い、金額大きい
・起業の勉強になる
・社長仲間を紹介してくれる
・夢見ることを肯定してくれる

いかがですか?

社長を見込み客にトップアプローチして売上・利益をあらかじめシミュレーションしておくのです。

そうすれば、大きな不安を抱えずに起業できます。

ただし、経営は常に安定するわけではありません。
起業するなら、その覚悟は最低限しておくことです。

事業承継する前に、自分の「社長」人脈を整理しておこう

後継者のいない社長は、第三者に会社を売却(会社エグジット)することに躊躇しています。

・社長の権限を捨てたくない→会社のトップでいることの心地良さ、会社の代表としての名誉、お金を自分の決断ひとつで動かせる満足感。それを離したくない/私もそう考えた時期がありました。

・会社エグジットに対する色メガネと誤解→時間とお金がかかる。赤字だったら売れない。買ってくれるところなんかない/情報を入手すれば色メガネは外せますし、誤解は解けるはずです。

・社長を引退した後の人生が見えない→廃業のリスクが分からない/重い荷物を下ろし、「社長卒業」であるというイメージを持てば変わります。また、廃業リスクと比較しておくことです。

たとえば、ここでは3つの「躊躇」について取り上げましたが、第三者承継が一般化しつつある現状を、社長はまず知るべきです。

その上で、取引先(仕入先、顧客)、同業のライバル企業という身近な存在を事業承継の対象者にしたらいかがですか?

そして、トップアプローチするのです。
それが私の提言で、日頃悩んでいる社長にアドバイスしていることです。

それでは、そのメリットは何でしょうか?
次に3つピックアップしました。

・人手不足が解消。今まで通りの事業が継続でき、社員が路頭に迷うことがない
・ムダを省いて生産性アップ
・値引き競争による足の引っ張り合い等、マイナス要因からの脱却

いかがですか?

身近なところに、いちばん承継しやすい第三者が存在するのです。

アプローチしてうまくマッチングできれば、家族、社員、取引先、ライバル企業などの利害関係者に感謝されて社長を卒業できます。

また、会社エグジットによってキャッシュを得、次の人生の資金源にすることもできます。廃業では、そういうわけにはなかなかいきません(税金も、会社エグジットの方が有利)。

事業承継と起業のマッチングで世代交代を

ここまで「社長」への「トップアプローチ」をキーワードにお話してきました。

後継者のいない社長、給与の上がらないサラリーマン、どちらも経済問題を越えて社会問題化しているということをお伝えしてきました。

日本国という「鳥の目」で見てみると、いちばんいい解決法が見えます。

それは、後継者のいない中小企業の社長が、起業したいサラリーマンに事業承継して、世代交代することです。
そうすれば、経済と社会問題のひとつは解決するはずです。

そういう意味では、官民がひとつになって問題解決にのぞむのがいちばんの早期解決法です。

「2025年問題」がもうすぐ待ち受けています。

戦後に子供がたくさん生まれた世代「団塊の世代」が75歳になって現役を引退する問題です。社長に後継者がいなければ廃業の道を歩み、大きな社会問題に発展しかねません。

時は待ってくれません。
事業承継も起業も、待ったなしです。


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