かつての入力手段は「ボタンを押す」だった。
「タッチパネル」が登場したのはいつのことだろうか・・・。
記憶を手繰っても時期は特定できない。
調べてみると、アメリカで1990年前後に誕生したらしい。
30年前か・・・そう言えば、ペンでタッチ入力した記憶がある。
あれは何だったのだろうか?
そのタッチパネルですが、大変お恥ずかしいことに、私はその画面を目の前に、頭が白くなった記憶があります。何の画面だったかは覚えていませんが・・・。
(これって、どうやって入力したらいいんだろう?)
当時までは、どんな製品も、入力する手段は、その製品についている突起した「ボタン」でした。そのボタンを押す行為によって、入力の感触を得ていました。
それが、画面や画面周辺のどこを見てもボタンがないのです。
焦りました。
・・・震えた指が画面に触ってしまいました。
そうすると、どうでしょう。画面が切り変わったのです。
その時のショックは表現のしようがありませんが、その時点で、同時に入力手段理解したのです。
これは、私にとってカルチャーショック以外の何物でもありませんでした。
最近のあるTV番組で、昭和時代のカセットテープレコーダーを数人の高校生に操作させるという実験をしていました。
彼らは、その製品のあちこちを触ったり、裏返して眺めたりしています。
「ボタン」を触っていた高校生が、そのボタンを弾みで押したようです。
すると・・・音楽が流れてきたのです。
その高校生のびっくりした表情。そして、納得顔。
カセットテープレコーダーの入力手段が理解できたのです。
彼にとって、それはカルチャーショックだったでしょう。
よく分かります。
今の高校生にとって、「ボタンを押す」という行為は頭の中になく、入力手段は「画面にタッチする」ことだったのです。
科学技術が進歩し、時代が進化すると、当たり前ではありますが、生活に根を下ろしている行為自体が変わることを改めて認識した次第です。
スシローにタッチパネルがあった驚き。
前置きが長くなりました。
今回は、「スシロー」の話題です。
回転寿司の発祥は、私が生まれる1年前、昭和33年、大阪にオープンした「廻る元禄寿司1号店」とのこと。結構歴史のある業態ですね。
私は、秋田から東京に出てきて、社会人になった頃からよく「回転寿司」を利用するようになりました。
注文方式は。廻る皿を取る、口でオーダーするという2つの合せ技でした。
・・・いつの頃からかでしょうか。回転寿司にはほとんど行かなくなり、時と共に足が遠のいていきました。
最近のことです。
「スシローが美味しいんですよ。連れて行ってください」
仲良しの若者2人にせがまれて行ってみました。
すると・・・例のタッチパネルです。
一瞬、あの時のカルチャーショックが蘇りました。
ひとまず、オーダーは若者二人に一任したのですが、その操作の鮮やかさに目をみはりました。
そして、確かに美味しい。
しかも、寿司だけではなく、肉もあればうどんもある。
このコロナ禍にあって、店内はたくさんの客で賑わっていました。
快進撃の理由は、都心攻勢、自動化、非接触の3つ。
「スシロー」は今、快進撃を続けています。
他の回転寿司チェーンが昨年対比で減収する中、5,9%増収。
株式時価総額は5536億円と、飲食業では、日本マクドナルドHDの6874億円に次ぐものです。
この快進撃の理由は3つあると言われています。
・都心攻勢で集客を増やしていること。
・自動化(AIで皿数認識など)による経費節減。
・コロナ禍の中、タッチパネルにより、非接触で利用できる。
つまり、好調の理由のひとつが「タッチパネル」だったのです。
科学技術の進展が生み出した「タッチパネル」が人間の健康を守り、企業業績を上向かせている事実を目の当たりにし、過去を思い出しながら感慨にふけっている自分がいました。
この「スシロー」の母体、スシローグローバルホールディングスは、2021年4月1日、「FOOD&LIFE COMPANIES」に社名変更しました。
ますますの快進撃、楽しみですね。