CMでおなじみ。「応援購入」の㈱アリアケが、急成長した理由。

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「今までにない買い物体験の場」って何?

㈱マクアケという会社があります。
CMの「応援購入」でご存知の方も多いのではないでしょうか?
この会社のビジネスモデルを紹介することで、起業する時に何が大切かのポイントのひとつを学んでみましょう。(テレビ東京「カンブリア宮殿」より)

マクアケの社長、中山亮太郎氏は、自社のビジネスモデルをこう表現しています。「チャレンジしたいメーカーと消費者をつなぐ、今までにない買い物体験の場」

ビジネスの流れは、こうです。

・あるメーカーが試作品を作ります。
・いつまでにいくらお金を集めるかの目標設定をします。
・マクアケのネットサイトを通じて消費者にプレゼンテーションします。
・消費者が、その商品を「応援購入」します。
・その応援購入で集まった資金をもとに、メーカーは商品化して売り出します。

在庫を抱えることもなく、メーカーは早期に収益を上げることができるというビジネスモデルです。\これによって、資金繰りに苦しんで商品化できない・・・そういうビジネスチャンスを失うこともなく、在庫を抱えることもなくなるというわけです。

このビジネスの流れの中で重要なキーパーソンが、マクアケのキュレーターたち。メーカーに赴いて、どんな消費者に向けて、どんな商品をつくるかをアドバイスする、橋渡し役の社員たちです。

このモデルは「クラウドファンディング(CF)」のひとつですが、通常と異なっていることがひとつあります。通常のCFは個人を支援するものですが、マクアケはメーカーを対象に産業支援するCFなのです。ひと言で言うと、メーカーの「テストマーケテイング」の場を提供しているのです。お金の前に、メーカーの商品ありきなのです。

事前に5億円の「応援購入」があった『ポータブル充電器』

マクアケが対象としているのは、9割が中小企業メーカー。

今までヒットした商品は数多くありますが、ユニークなものでは「カメラ付き耳かき」。最高額の応援購入を引き出したのは「ポータブル充電器」。これは5億円といいます。

こういう商品は、マクアケの存在がなければ、世に出なかったかもしれません。

一方、大手企業もマクアケを利用しています。例えば、キヤノンの「360度カメラ」がそれです。大手の場合は、中小と違い、数多くのお蔵入りした技術があるため、マクアケはそれを掘り起こすべく、商品開発の技術現場とやり取りするケースが増えているようです。

iPhoneのような商品が日本に誕生しないのはなぜか?!」が会社設立のきっかけ。

中山氏は当初、株式会社サイバーエージェントに入社。30歳の時に、藤田社長にクラウドファンディングの新規事業を任されたそうです。
ベトナムに赴任した時、日本製品はそんなに出回っていたことは驚きのうちに入りませんでした。彼が驚愕した場面、それは、10 万円のiPhoneをベトナム人が購入していたことでした。

中山氏はこう思いました。


「iPhoneのような商品が日本に誕生しないのはなぜか。かつては世界的なヒット商品があったのに」
しかも、iPhoneの中の部品の多くは日本製であるにもかかわらず・・・。

彼は、一念発起し、仲間の二人と一緒に、マクアケを設立。2013 年にサイトをオープン。

最初は苦戦を強いられたとのことですが、今では、250億円の年商を上げ、累計1万1000件の商品を世に送り出すまでになったのです。

苦戦を強いられながらも続けてこれた理由は何か?
中山氏は、その理由を2つ挙げました。

・一緒に創業した仲間がいたこと。
・このビジネスが世の中のためになることに疑いを持たなかったこと。

ここに、どうやら失敗しない起業のヒントがありそうです。

これからは「グローカル」にヒット商品を生み出していく。

彼は、こうも言います。

「これから売れるものは、ストーリーや背景を知ってから買うことのできるもの」
「お蔵入りさせない。それがマクアケの在り方」
「何かを生み出すのに、1社で完結する時代はもはや終わった」

アリアケは今、地方銀行と組んで、眠った中小企業の技術や商品を掘り起こそうとしています。現在100社の銀行と提携。既に900案件あるとのことです。地銀にとっては、中小企業自体の本業支援と地域の活性化に貢献できるため、短期間でこれだけの提携数になったのでしょう。

その一方、世界にも進出しようと中山氏は考えています。

これからはローカルとグローバル、「グローカル」のビジネスに発展していきそうです。

いかがですか?
あなたが起業する上で、参考になることはあったでしょうか?

私がここで紹介したのは、細かな視点で言いますと、次の3点、あなたの参考にしてほしかったからです。

・苦境に立っても、このビジネスが世のためになると確信していたこと。
・無から有を生んだわけではなく、クラウドファンディングという業態の中で、誰もが手がけなかった、中小メーカー支援をコンセプトにしたこと。
・「購入支援」という新しい行動喚起を行ったこと。

そして、大きな視点で言いますと、次の1点につきます。

「もっと日本のヒット商品を世に出したい」

現実はなかなかそうもいかないと思いますが、できることなら、将来を確信するビジネスで起業したいですね。

ご参考までに。

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