パソナの「1300人採用」が、社会問題の解決になる、驚きの理由とは?

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株式会社パソナグループと言えば、大手人材派遣会社。

そう連想する人は多いことでしょう。
あなたの場合はどうですか?

パソナグループ(以下、パソナ)は、人材派遣業を中心に、関連の子会社67社、約2万名の従業員を有する、大企業の一角を占める、グループ会社です。

淡路島本社での2年間勤務。パソナの大規模採用の驚くべきシナリオ。

そのパソナが、コロナ禍によって、一転就職難に陥った若者を救うため、1000人規模の新卒者を採用するというニュースが流れました。

・勤務地は、本社を移転した淡路島。
・入社時期は、2021年4月。
・勤務期間は2年間。
・雇用形態は「契約社員」。
・入社後の住まいは、原則、淡路島の社員寮。
・配属は、パソナグループの人事部や、営業部門。
・入社1年間は、勤務をしながらビジネスマナー、語学などを学習します。
・2年目は、就業コース。起業希望の社員向けには、専門コースもあります。

ユニークなのは、2年の勤務を経て、その後は、他の企業や自治体に転職してもいいという自由さがあること。(会社との合意ができれば、パソナでそのまま働くことも可能)

就職難、新規事業の創出・・・人と会社、両者の悩みに同時解決のチャンス。

本人にとっては、転職というより、大手の人材会社で自分を磨き、就職に近い感覚で世の中に出ることができることが大きなメリットです。

新卒時に大手企業に採用されなければ、大手企業に転職することは、まだまだ日本では難しいのが現実なのです。でも、パソナのこの期間限定の採用なら、大手企業への再トライを可能にする動きでもあるのです。

企業とのミスマッチも回避できそうです。

それでは、ここで質問です。

パソナにとってのメリットは何でしょうか?

・勤務は週30時間。
・給与は大卒月16万6000円、高卒月15万6000円。
正社員の初任給を少し下回りますが、それにしても、1000人雇用すれば、年間20億円の人件費が発生します。

その人件費を計上して、パソナは何を得ようとしているのでしょうか?

若い社員のアイディアを生かした新規事業を創出すること・・・それが質問の解です。

前述しました、起業希望者向けの専門コースの設置が、その解の背景にあるようです。

今回のパソナの人材採用は、ひとつの社会問題を解決する動きと言えます。

・パソナは、リーマンショック後の2010年にも、新卒者の就労を支援する「フレッシュキャリア社員制度」を導入し、3年間で7300人の就職支援を行った過去があります。

・また、コロナ禍によって業績が落ち込んでいる業界からの人材も、来春に300人受け入れる予定です。航空・旅行・ホテル業界からの出向者が対象で、期間は1年間です。

これから発展する企業の3つの条件とは?

パソナ以外にも、ノジマやイオンを初め、業種間、会社間の人材異動が活発化してきています。巷では、これを、「従業員シェア」と呼んでいるようです。

また、大手企業が新規事業を推進するため、あるいは地方企業が経営上のアドバイスを受けるため、副業人材を求めています。

同業や異業種によるM&Aも活発化してきています。
これは今後、中小企業のステージに、間違いなく広がっていくことでしょう。M&Aも、優秀な人材を獲得するための手法のひとつになってきているからです。

今まで、パソナを例に、人材に対する向き合い方の変化について述べてきました。

これからの、人材面から捉えた、企業発展の条件をまとめてみます。

これから発展する企業とは、

・人材を大事にする企業。
・社会問題を解決しようとする起業。
・従業員シェアや副業、M&Aなど、柔軟に人材雇用のできる企業。

起業しようとしているあなたにとっても、就職難におびえているあなたにとっても、地方でゆとりある職住接近生活を送りたいあなたにとっても、いい時代が訪れていると捉えてみてはいかがでしょうか。

コロナが良い悪い、の議論は不毛です。

コロナ禍によって変化を余儀なくされ、今までの常識では判断できない新常態(ニューノーマル)になっているこの時代を、自分が幸せになるステップボードと考えましょう。

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