起業の最大の「落とし穴」、何だと思いますか?

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仲間が社長、自分は№2の専務。さて、その結末は・・・。

コロナ問題で大変な折、ある知人から、こんな相談を受けました。
「コロナ問題が収まってから、仲間と一緒に起業したい。どう思いますか?」

私はまず、かつての知人の経験談を例にして、アドバイスしました。

——ある時、高校時代の同級生と一緒に、IT関連の会社を立ち上げようとした知人が私の会社に挨拶に来たことがありました。

その知人は№2の専務として総務・経理全般を、同級生は社長として、営業全般を仕切ることになったそうです。

同級生の社長は、これから実行する事業に関して、熱く語ってきます。

知人の専務は、静かにうなずいています。

(結構、役回りがはっきりしているんだ)

私は最初、二人の関係に好感を持ち、会社はうまくいくんじゃないかなと思いました。

・・・が、次の社長の言葉を聞いた時、不安がよぎりました。

「こいつがいるから、会社は安心です」

社長が専務を見て、肩を叩いたのです。

そして、高校時代、いかに専務が優秀で頼りになる人物だったのかを、質問をはさむ余地もなく、しゃべり続けたのです。

(社長は専務に寄りかかっている。危ないかもしれない)

そう思いました。

私はその日の夜、知人にこう伝えました。

「社長は君を専務じゃなく、仲間だと思っている。会社がうまくいかなければ、君に責任を押しつけるかもしれない。そうなったら、文字通り仲間割れになるから、気をつけて」

結局、半年も経たないうちに、知人はその会社を去ることになりました。

会社自体、廃業になったようです。

仲間とお金は、相容れないもの!?

何があったか、聞いてみました。

・業績が思うように上がらず、専務自身も営業に駆り出された。
(営業力の欠如)

・社長が接待費を使い過ぎ、とがめてもその習慣は変わらなかった。
(採算を取ろうとする経営能力の欠如)
・会社がうまくいかないのは専務の責任と、周りに言いふらされた。
(自己責任能力の欠如)

つまり、社長は専務に完全に寄りかかり、社長気分を味わいながら、何もしなかったということです。

私の知人は今、ひとりで起業し、大活躍しています。

組むなら、お互い起業した者同士と決めているようです。

それだけ、彼にとっては苦い経験だったようです。

仲間と起業。あなたは三択のうち、どれを選びますか?

私は、起業を考えているその知人に、3つのアドバイスをしました。

・仲間には基本、上下関係がない。お金で結びつくような利害関係もない。とすれば、一緒に起業しないほうがいい。
・どうしても組みたいなら、その時点で仲間は返上。しっかりした上下関係、利害関係、責任の所在をはっきりさせること。
・仲間を続けたいのであれば、お互いが得意な分野で起業し、組めばいい。そうすれば、もたれ合うこともなく、仲間として協力し合う構図ができる。

仲間なら、ずっと仲間でいたい。

夢を一緒に実現したい。

この二つの感情は、とても美しいものですが、時として相容れない感情でもあるのです。

知人には、ぜひ起業で成功してほしいと願っています。

もし、あなたが同じ状況にあるのなら、参考にしてもらえたら有り難いです。

――無知な友ほど危険なものはない。(ラ・フォンテーヌ/フランスの詩人)――

☆サラリーマン同士の仲間は、逆のようです。・・・人間関係は不思議ですね。
詳しくはコチラから↓