起業する前に覚えておきたい、最も大事な2つの極意。

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総合居酒屋が、コロナ禍によって苦境に立たされている現状とは・・・。

コロナ禍の影響によって不況業種とまで言われるようになった飲食業界。

その飲食業界にあって、お店を閉店した中でいちばん多い業態は何か、知っていますか?

それは、居酒屋業態です。

閉店した飲食店の4割が居酒屋業態のようです。

下記のような理由で、半年間は、利益の出る要素はなかなか見つかりませんでした。

・緊急事態宣言で休業。
・営業時間を縮め、営業チャンスを逸した。
・密にしないために席数を半減させ、生産性を悪くした。
・家賃と人件費が重い負担になった。
・総合居酒屋として品数、それに伴う食材を豊富に確保していた分、原材料費が重くのしかかってきた。

国や県からの支援金があったとしても、永続的に続くわけではありません。

コロナ化が終息しない限り、このままの総合居酒屋では遅かれ早かれ、お店は閉めなくてはいけない・・・それが、4割という数字につながったのでしょう。

もちろん、人、モノ、金の3大経営資源を縮小し、昼のテイクアウト、出前などのプラス1の工夫で乗り越えようと健闘している居酒屋もたくさんありますが、コロナ前に業績が戻っているところは、今のところほとんどありません。

「家族と一緒に」4割。あなたが行くのは居酒屋?焼肉店?

そんな中で、業態転換を図ろうとしている大手居酒屋店があります。

「ワタミ」です。
ミライザカや鳥メロなど、居酒屋業態のお店を「焼肉の和民」に切り替えようとしています。

焼肉業態は、飲食業界の中でも利益体質にしやすい業態で、昨年対比で業界全体が大きく業績を下げたのに対し、8%減に留まっています。

物語コーポレーションの「焼肉キング」に至っては、業績は昨対比プラス

総資産経常利益率は8,5%。なんと、主要外食店平均が2,2パーセントであるにもかかわらずです。
しかも、同業の2倍の店員を抱えながら、高収益を確保しているのです。

・一人2680円食べ放題。
・DXで商品開発。(1店当たり年間250万件の履歴データをもとに)
・配膳ロボ「Servi(サービ)」を導入。
・「焼肉ポリス」スタッフを配備。テーブルを回って、来店客に焼き方指導。

お得感を出し、迅速丁寧なサービスを心掛け、先端技術を導入して商品開発、顧客満足でリピーターを増やしていく・・・利益がプラスに転じているのも頷けますね。

ワタミも、居酒屋業態から、収益体質にしやすい焼肉業態への転換を図ろうとしているのです。

他に、居酒屋の業態のままではあるものの、総合居酒屋ではなく、品数を減らし、看板商品をメインに掲げる居酒屋も増えています。

たとえば、焼き鳥居酒屋とか、海鮮居酒屋、寿司居酒屋などのようなお店です。

居酒屋の個店化と言ってもいいでしょう。

ホットペッパーグルメ外食総研が、政府の緊急事態宣言が終了した5月25日から8月1日にかけて、外食の相手は誰かという調査をしたところ、

・家族 41% ・友人 25% ・一人 22% ・仕事相手 9%

という結果になった様です。

家族がメインなら、居酒屋より、焼肉ですよね、やっぱり。

逆風でも発想転換できれば成長できる。それを現実化した会社とは・・・。

ところで、業界がこれから萎んでいく可能性がありながら、業績を伸ばしている会社がありますので、ここで紹介しておきます。

名古屋の会社、「シャチハタ」です。

ご存知でしたか?

ハンコで有名な会社ですが、実は業界自体には逆風が吹いています。

デジタル庁発足を前に、官公庁の書類からハンコを押印する作業を極力なくそうとしている動き、あなたはご存知でしょうか?
書類の提出はネットから、という時代が到来したのです。

このままでいくと、ハンコの必要性は薄らいでいきます。

・シャチハタは、先んじて「脱ハンコ」を唱え、「シャチハタ クラウドビジネス」という電子印鑑を作り、各企業に広めています。
・また、子供の手洗い用スタンプ「おててポン」でコロナ対策を推進しています。これは、子供に好評のヒット商品になりました。

一見苦境に立たされても、発想の転換を図ることができれば、逆風を追い風にできるのですね。

コロナで知らされた人命と経済の〇〇。社会貢献と会社成長も○○である。

最後に、SDGs(持続可能な社会)や社会貢献と会社の成長はイコールになっているというお話をします。

今やそれは、若者が就職・転職する時の会社選びの条件のひとつになってきています。

ここで、人気のある会社の事例をひとつ。

カンブリア宮殿でもこの前紹介された、兵庫県に本社を構える「エコリング」という社名で、

・リユース全般を扱う会社です。全国に100店舗持っています。
・中古品なら何でも買い取ります。
・そして、社内のリペア部隊が中古品をよみがえらせ、ネットオークションにかけます。
・海外に輸出します。
・最後まで残った商品も、あきらめず、それを必要とする人たちに提供していきます。

エコリングの桑田社長の金言をいくつか紹介します。

「年間で25万人が亡くなります。その持ち物がすべてゴミになったら、社会問題ですよね」

「在宅ワーカーの主婦が100人います。コロナ禍があって、その人たちが、いかに当社を支えてきてくれたか・・・感謝しています」

「一時的な楽しみより、会社を永続させることの方が大事」

かつては経済を何よりも優先し、結果、公害を垂れ流し、人命にまで影響を与えた時代がありました。

今はどうでしょう。

コロナ禍によって、人命の安全と経済の潤いは生きていく上での両輪であることが判明しました。

起業する時は、誰のために何をするのかという社会貢献の視点を忘れてはいけません。

それが明確でなければ、そして純粋でなければ、顧客や社員を引き寄せる企業には成り得ません。

エコリングは、環境問題と商品の再生という二つの課題に取り組んで社会貢献し、会社も成長させている、典型的なこれからの会社と言っていいでしょう。

あなたは、誰のために何をして社会貢献しますか?
起業する前に言語化してみましょう。

変化をつかんで発想の転換を図る、社会貢献を事業化する・・・この2点が、失敗しない起業をする上で、知っておきたい2つの大きな極意です。

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