「努力をする人は、夢中な人には勝てない」(食べチョク社長)

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「食べチョク」サイト、2020年の春に、なんと売上35倍に!!

あなたは、「食べチョク」というサイト、ご存知ですか?

2017年に、25歳の女性、秋元里奈さんが起業して作ったサイトです。
最近の「カンブリア宮殿」でも紹介されました。

野菜農家と組み、「食べチョク」サイトを通して消費者に直送するビジネスモデルですが、コロナ禍の外出自粛もあり、2020年に急激に業績を伸ばしたのです。

2020年の2月から5月の業績は、何とその前に比べて35倍に売上アップ。

「食べチョク」を運営する会社「ビビットガーデン」は短期間で生産者4300件、会員数は50万人を超えるまでになりました。

従業員は53人。もっと事業を日本全国に広げるために、上場を視野に入れているようです。

この「食べチョク」を起業した秋元里奈さんをここで紹介した理由は、彼女の起業が、起業を考えているあなたの力になるのではと考えたからです。

自分の経験と農業への思いがひとつになり、「ITの力で農業を救いたい」

秋元さんの好きな言葉があります。

「努力をする人は、夢中な人には勝てない」

がむしゃらになれることがあれば夢中になれる。
わざわざ努力しなくても、知らないうちに努力をしている。
そのパワーはとてつもなく大きいということです。

そう考えるようなったのは、彼女のルーツを知ると、なるほどと頷けます。

秋元さんは大学卒業後、IT企業のDeNAに入社。
3年後、退職し、起業することになるのですが、そのきっかけになった出来事は・・・。

彼女の実家は神奈川県で農家を営んでいましたが、帰郷時に農地が耕作放棄地になっている現状に、改めて愕然としたようです。

幼い頃、彼女は実家の「採れ立て野菜」が大好きでした。

それがもう実家にないことにどうしようもない寂しさに駆られた彼女は、どうしたと思いますか?

「ITの力で農業を救いたい」

その思いひとつで起業したのです。
DeNAの経験と自分の思いがひとつになったのですね。

食べチョク社長、秋元さんの「夢中」を証明する5つの行動

秋元さんの「夢中」は、行動面にどう現れたでしょうか。

・2億円の資金調達先にアプローチしてもなかなか承諾をもらえず、2019年10月にOKもらうまで、70社以上に断られ、9カ月の時を要したこと。
(「農業はビジネスになりにくい」という断り文句に対して、「最初にそう思ったのなら、なぜ会ってくれたんですか?」と食らいつき、断られた本当の理由を聞き出し、その話を事業モデルの改善のヒントにしたようです。スゴイ根性ですね)

・農家から「産直システムを提案する、君みたいな人はたくさん来たけど、3年続く人はいなかった」と不信の言葉を浴びても、信頼をもらえるように、通い続け、提案し続けたこと。
これもまた、スゴイ根性です。

・「生産者のこだわりが正当に評価される世界をつくりたい」という理念の下、産直システムによって、農家が今までの仕組みで受け取ってきた30%の利益を、80%にするビジネスモデルを構築したこと。しかも、生産者の相談にしっかり乗るスタイルは、ECサイトでは珍しいらしい。

・サイトのトップページに「みんなの投稿」というページを設け、消費者の苦情や意見も載せ、それが消費者の信頼感を呼んでいること。

・「食べチョク」のTシャツを作り、常に身にまとっていること。
(上場したら違う服装にしようと思っているという彼女に対して、村上龍氏は、「一生そのままでいいんじゃないかな」との発言。個人的に私もその意見に賛成です)

以上5つの行動に、秋元さんの「夢中」を感じた次第です。

「やらない理由は、時間とともに増えていく」

もうひとつ、起業する上で、参考になる秋元さんの言葉があります。

「やらない理由は、時間とともに増えていく」

という言葉です。

彼女は起業する前に、知人からこう言われたそうです。

「今やらなかったら、一生できないよ」

彼女はその言葉にハッとさせられました。

結婚や出産など、制約が出てきたら、できるものもできなくなる。
時間とともに、やらない理由を考えるようになって、結局やりたいことができなくなる・・・そう思ったそうです。

秋元さんは、その知人の言葉に意を決しました。

2017年の起業からまだ4年。
それがまだ4年なのか、もう4年なのか。

彼女は、

「今にも廃業する生産者がいるもしれない。だから、早く日本全国の生産者を救いたい。そのためにも早く上場したい」

そう熱く語ります。

秋元さんの「夢中」には、「まだ」という言葉も「もう」という言葉もないようです。常に「今の夢中」なのです。

いかがですか?

起業する上で、秋元さんの「夢中」と「今」は参考になるお話ではないでしょうか。

・自分は、その事業に夢中になれるか
・今それをやると決断できるか

この2つは、起業する上での指標のひとつになりそうです。
でも、ムリと背伸びは禁物です。

私は、「夢中」をこう捉えています。

・その事業をどうしてもやりたいかどうか
・その事業が成功しても失敗しても後悔せずにやると決めれるか
・その表裏一体の思いをもとに、社会のために絶対それを成功させるんだという意志を持てるかどうか

今、あなたの目の前にあるものが、夢中になれるものであれば何よりです。

まだそうでないなら、焦らず、夢中になれるものとの出会いを意識して創り出しましょう。
あるいは、思いを持ちながら出会いを待ちましょう

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