あなたが会社エグジット(第三者への売却)で交渉の場にいるとしましょう。
交渉する時に、やってはいけないNGルールは何だと思いますか?
どんな交渉をするか、事前にシミュレーションしておくことをお奨めします。
次にあげるポイントは、私の経験、会社エグジットした社長仲間たちの経験を通して得たものです。
シリーズでお届けしています。
参考にしてください。
◇交渉時のNGルール②/偉そうな態度
☆「上から目線」は交渉決裂の最短コース
たとえば、3社から、あなたの会社を買いたいというオファーがあったとします。
「うちの会社は価値が高い!」
そう思うのは当然です。
是非とも、納得できるキャッシュを手にし、有利な条件で、社員を受け入れてもらいましょう。
しかし、気をつけてほしいことがあります。
「うちは、買い手の会社を選べる、上の立場なんだ!」
その思いが交渉の場で態度に現れたら、相手の心証を害してしまいます。
あなたが接触した3社の中で一番いいと思った会社が、真っ先に手を引きます。
(えっ!そんなことあるの?)
そんなこと、あるのです。
あなたが売却先に考えている会社は、他の会社も交渉したいと考えている可能性が高いからです。
あなたが、もしその会社から、もっと高い売却額を引き出そうと画策し、時間を引き延ばそうとしたらどうなるでしょうか?
相手は、その上から目線の態度に悪印象を持つはずです。
それなら、他の買収候補の会社の方が謙虚だから、そっちと交渉しよう・・・そう思われると、相手はあなたの会社から手を引くのです。
実にもったいない話です。
☆キャッシュか社員・顧客資産か、どちらを優先?
交渉の場には謙虚な気持ちで臨みましょう。
そして、冷静・客観的な視点で相手をチェックしましょう。
・社員を有利な条件で受け入れてくれる会社か
・今まで築いた顧客資産をもっと大きくしてくれる会社か
・一緒になることで、社内外に大きな社会的価値を生むことが想像できる会社か
・うちの会社を適正に評価してくれる社長か
このような謙虚な視点で相手に接することが大切です。
・あなたの会社を買収することで、自社の将来価値が高くなる、というA社の社長。
・あなたの会社を買収することで、保有するキャッシュが増える、というB社の社長。
あなたは、どちらに会社を売却しますか?
選択は人それぞれだと思いますが、私の場合はA社でした。
B社は、人材や顧客の資産価値よりもキャッシュ優先の節があり、退職者を生み、顧客からの注文を逃しかねません。
私なら、B社の提示額がA社を上回っていたとしても、A社を選びます。
なぜなら、A社は、こちら側の社員や顧客資産を大事にしてくれる愛ある存在だからです。
嫌らしいやり方かもしれませんが、A社の提示額をもとに、B社のラインにまで引き上げるための交渉をした方がいいでしょう。
複数のオファーがあるということは、有利な立場であることに変わりはありませんので。
しかし、あくまでも謙虚に、が基本です。
◇第三者への事業承継の入門書
「愛の会社エグジット 売り手も買い手も幸せになる事業売却」↓