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※会社エグジット→後継者のいない中小企業の社長が会社を第三者に売却することによって、自らの次の人生、そして家族や社員、取引先などの利害関係者の幸せを創造し、大廃業時代が来るといわれている日本経済を救う愛ある行為」のことを言います。
会社の売却だけで「愛の会社エグジット」は終わらない
親族や社員などの身内に後継者のいないあなたが事業承継するとしたら、相手は第三者になりますね。そして、そのひとつの方法が株式譲渡を含む会社エグジット(売却)になります。
会社を売却するまでは一般的に1年ほどかかります。
それでは会社の売却後に会社の引継ぎ・統合(PMI)にどれぐらいの時間が必要でしょうか?
最低1年はほしいところです。
なぜ売却後に1年残る必要があるのか?
後は売却先の仕事ではないか?・・・そう思う人がいるかもしれませんね。
でも、それは逆だとお考えください。
会社の引継ぎ・統合がうまくいかなければ、会社を売却すること自体が失敗だったということになります。
自分の会社の強みと相手の会社の強みが融合することで会社エグジットは完成します。
かたちの上では最終契約書の調印で終了ですが、その時点では、買収側はあなたの会社の設計図を買ったにすぎません。実際は統合し稼働して初めて設計図通りにシナジー効果が発揮できるかが明らかになります。買収側は元社長に、しばらく会社に在籍してPMIに協力してほしいという条件を手字するところが多いのは、そういう理由からです。
買収側が1年間、もと社長にいてほしい理由とは
会社に「残る」のではありません。仕上げの重要な舞台で共同作業を行うということです。
買収側の思いは、こうです。
・元社長にしばらくいてもらわないと、受け入れた社員・取引先を失ってしまいかねない
・会社は1年サイクルで動いているので、1年は引継ぎ期間がほしい
売却側の思いは、次のようなものです。
・早く身軽になって、次の人生のステップに進みたい
・しかし、大事な会社の行く末にまだ不安が残っている
この2者の思いをマッチングし、それらを遂げるためにPMI があるのです。
会社エグジットは売却してお金を手にするだけで終わるのではありません。
・売却して利害関係者の幸せを確認すること
・社長を卒業した後の人生シナリオを描いておくこと
この2つを加えてこその「会社エグジット」なのです。
そして、そこに愛があるから「愛の会社エグジット」なのです。
引継ぎと統合(PMI)、1年間の活動内容はコレだ
「1年間の会社統合(PMI)スケジュール」をご覧ください。
便宜上、前年12月に最終契約を交わし、1月からスタートしたことにします。
縦軸がやるべき項目、横軸が期間です。
当然ですが、PMIの最中でも、ビジネスは止めることができません。
事業計画に基づき、引き続きの売上・利益を上げていく必要がありますね。
その中で、次のような活動をしていきます。
◇会社としての引き渡し
・株式譲渡 ・契約書に基づいた各種手続き ・保有財産の引継ぎ
◇新社長にバトンタッチ(一緒に活動)
・同行訪問(関係者や顧客への紹介と交流)
①仕入先、外注先、顧問などのブレーン、金融・行政機関、加入団体
②大口顧客を中心とする顧
・会社情報の引き渡し
・実務の引継ぎ
・月次の業績チェック
・従業員の相談役(当初はひとりで実施:エグジット後の従業員の不安を払拭することが目的)
◇2社の差異を埋める作業(一緒に活動)
たとえ同じような業態・業容だとしても、2社の間で人事制度、評価制度、営業方法などには当然違いがあります。その差異をPMIの期間に埋める必要があります。これは、社長同士がスクラムを組んで実行しましょう。
PMIは次のステージに向かうための「断捨離」期間
会社は1年単位で動いています。
この1年の間に、あなたが去っても会社が存続する状態をつくっておけばいいのです。
モレのないPMIができれば、1年で卒業することが可能というわけです。
その一方で、最終契約によって、重責という荷物を下ろすことができるわけですから、PMIに費やす1年の間に、会社エグジット後の自分の人生の準備をしておきましょう。
PMIは、次のステージに向かうための「断捨離」の期間といえるかもしれません。
このように、エグジット先との出会いから最終契約まで1年、引継ぎと統合(PMI)に1年、計2年で、あなたの「愛のエグジット」は完成・・・このようなイメージをもってプロデュ―スしていきましょう。その前に磨き上げが1年必要であれば、計3年が「愛の会社エグジット」期間になります。
いかがですか?
自分で「愛のエグジット」をプロデュースすること、そんなに難しいことではないことをご理解いただけたでしょうか。
後継者が不在なら、廃業を考える前に、まずは会社エグジットをお考え下さい。
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