「トップコール営業」。社長の記憶に残す足跡の残し方はコレだ

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突然の営業セクションへの異動でとまどいながらも・・・

私はかつて、自ら希望して求人広告の営業スタッフになったわけではありませんでした。27歳になるまでは、編集業務に携わり、いつかは編集の仕事で独立したいと思っていました。

名古屋に転勤してきた時も、求人情報誌の編集リーダーの立場でした。

ある時、社内に新しい商品を販売するセクションが誕生し、多くの営業キャリア組がそこに異動していきました。
その穴を埋める上でも、営業の人材を確保することが急務でした。

「吉田君、営業のリーダーをやってもらうことになったよ」
編集長のA氏から辞令が下りました。

「営業の経験が全くないので、無理です」
いったんは断りましたが、一介のサラリーマンが拒否する理由としてはあまりに弱く、その辞令は受けざるを得ませんでした。

当時の27歳前後のスタッフの一部は、既にマネージャーとして活躍中。

編集スタッフとして昇進を狙っていた自分としては、未経験とはいっても、営業としてすぐに結果を出さなければ、昇進が遅れてしまいます。

ある意味、マイナスからのスタートのようなものでした。

「過去の経験を活かせばいいんだよ」

私は、『1年後にマネージャー昇進』を目標に、自分に勝負を賭けてみることにしました。

成績を一挙に上げるには、社長クラスへのトップアプローチしかない――そう思いました。

そして、1年で最低100人の社長に会おうという具体的な目標を掲げました。
平均すると、週に2人の換算になります。

最初はなかなか社長には会えませんでした。
社長は基本、社内で一番多忙で、一番時給の高い人です。
メリットを感じる相手じゃないと会ってくれません。

途方にくれながら、名古屋駅の近辺を重い足取りで歩いていた時、お世話になっていた印刷会社のT部長に遭遇し、喫茶店に誘われました。

「売りたいって、顔に書いてあるよ」
座るや否やそう言われました。

ショックで、返す言葉が見つかりませんでした。

「売りたい気持ちは背中に背負うもの。君は編集の経験があるでしょ。誰よりも求職者のことを知っているじゃない。お客様が知りたいのは、そういう情報なんだよ」
目から鱗のアドバイスでした。

社長に会うための3つの工夫

あとは、どのようにして一番多忙で、一番時給の高い社長に会うか――それが課題として残りました。

ああでもない、こうでもないと、自分なりのアイディア、先輩・上司からのアドバイス、書籍情報などで日々実験を繰り返し、私は3つの方法が自分に適していることを発見しました。

・同じ曜日の同じ時間に訪問し、有益情報と思われる情報に、手書きの挨拶文を記した名刺をクリップで止めて置いてくること。
・手書きの手紙文に会いたい旨と、自分と会うメリット(求職者を誰よりも知っている)を記し、郵送すること。
・社長のスケジュールをある程度知っているスタッフと親しくなり、社長に会える時間を狙って訪問。

上記は私が成功した方法です。自分に合った方法は他にもたくさんあるでしょう。今はITを駆使する時代に生きていますから、新しい手法を試すことができますね。

でも、人間関係の基本だけは変わりませんから、そこを忘れないように。
楽しみながら自分の方法を編み出してみてください。

おかげさまで私は、1年に100人以上の社長に会うことができ、マネージャーに昇進することができました。


プラス1.メッセージ
●社長のトピックス、エピソードを事前入手しておこう

記憶に残るような足跡を残すためには、社長に関する情報を事前に入手しておくことが大切です。

ホームページやネット上で、社長に関する情報、会社に関する情報を押えておくことは必須です。

中でも、社長に会った時、「そんなことまで知っているんだ」と感心されるようなトピックスやエピソードを話すことができたら、きっと社長の記憶に残るでしょう。