会社買収はかつて、動物の名前で〇〇〇〇と呼ばれていた。

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辛抱は、長期経営の精神的支柱になった

「辛抱しなさい」「生きる上で大切なことの一つは辛抱強さ」

私と同期の60代のみなさん、幼い頃、そう教えられませんでしたか?

辛抱、忍耐―ー生きる上では確かに備えておきたい精神力です。

私の場合、幼い頃のこの教えは、長く会社経営をしていく上で、精神的な支柱になってくれました。

特に、バブルとリーマンの2大ショックを乗り越える時に、この辛抱が身を助けてくれたのは事実です。

でも、辛抱が過ぎると、ストレスで心身が病んでしまう人が、いかに多いことか・・・。

私も、リーマンショックの次の年、まさに50歳になった時、1年ほど、ストレスで心身を病んでしまいました。

一度壊れてしまうと、なかなか元には戻れません。

でも、経営者としての仕事は日々こなさなければいけません。

かといって、社員に心配をかけると、社内外に不安を呼び、傾く業績を、ますます傾かせてしまいかねません。

解決策さえ見つかれば、辛抱する必要はない。

私は、近くの熱田神宮に、3年に渡り通い続けました

私はその3年間で、後継者候補者5人を失いました。

3年が過ぎ、身内(血縁者や社員)の事業承継ををあきらめざるを得ず、その後、第三者に会社を売却する道を発見した時、やっと会社と自分の将来に光が差してきたのです。

私の病気は治りました。

暗闇の中での仕事、生活の中での辛抱は、心も体も壊してしまいます。

光を見出し、こみあげてくる期待感と喜びを味わうことがなければ、前には進めません。

解決策さえ見つけることができれば、過度な辛抱を自分に強いる必要はないのです。

第三者への承継は4割。「会社売却」は、もはやメジャーな手段。

さて、会社を売ることは、いけないことなのでしょうか?
昔なら、「辛抱の足らん人間だ」と叱咤されることでしょう。

今は、違います。

廃業を避けることを前提に、
「後継者がいなくて、自分の力では事業承継ができないなら、会社を売ろう」――この考えは極々自然なことなのです。

若い方はびっくりされるでしょうが、かつて「転職」はまさに辛抱が足らん人間のやることーーそんなレッテルが貼られる時代がありました。

今はどうでしょうか?
良し悪しは別ですよ。

新卒社員の3割は転職する時代になりました。
もはや、転職はメジャーな手段なのです。

会社を売ることも同じです。

かつては、会社の乗っ取りを図る「ハゲタカ」や、「敵対的買収」などの言葉が独り歩きして、世間を騒がせた時もありました。

会社は身内(血縁者や社員)が継ぐもの、第三者に売るなんてとんでもない。辛抱して、なんとしてでも身内に事業承継しなければならない・・・昭和時代の社長のほとんどは、そういうメガネで「ハゲタカ」を警戒していました。

昭和の末期には第三者への事業承継はたったの4%、平成をを挟んで今は、40%にまで達しています。

また、大企業だけではなく、自分の会社の価値を上げるために「会社を買いたい」という中小企業がたくさん存在しているのです。

国も、大廃業時代を避けるために、会社の売却を積極的に支援しようとしています。会社を売ることは、もはや事業承継のメジャーな手段なのです。

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