面接官に好感持ったら、入社決定・・・かも!?
職場に最高の友人がいる場合は、仕事のモチベーションが700%上がる――500万人を対象にしたアメリカのサーベイで、そんな結果が出たようです。(鈴木祐氏著「科学的な適職」より/株式会社クロスメディア・パブリッシング発行)
お金や仕事内容も大事なモチベーションの要素ではあるが、仲間が、とても大きなモチベーションになるということです。
就職・転職する側にとって、自分と引き合うというか、似た人がどれぐらいいるか――その情報を事前チェックできれば、イキイキ働くことにつながるというわけです。
人は自分に似た人を好きになりやすいですが、これは類似性効果というようです。
・面接者に好感が持てるかを基準のひとつにしてみる。
(自分にとって同格の2社のどちらかを選ぶ際、面接者で決める学生は多い)
・職場の社員と会う機会を作ってもらう。
そんな工夫をしてみたらどうでしょうか。
「上下関係」だけだと、社員は息が詰まり、退職してしまう。
一方、人材を受け入れる企業側も、「仲間」を意識して採用すると、人材は定着しやすくなるでしょう。
私の場合ですが――。
起業して3年程は、自分とAさん、自分とBさんというように、社長と1対1のシビアな上下関係を社員に求めました。
創業・成長期は、社長が旗を振り、社長がひとりひとりの社員を育てなければ経営できません。
でも、その思いが強すぎたようです。
社員同士の横の関係ができにくい環境を作ってしまいました。
横の関係はなれ合いと甘えの環境を作りやすいという、勝手な思い込みもあったことは否めません。
その結果、平均3カ月に1人退職するという、負のスパイラルに陥ってしまいました。
試用期間内に1人辞め、2人辞め・・・ということですから、会社にとっては、利益をもたらす社員にすることもなく、ムダな教育投資を繰り返したということになります。
社員にとっても、「さあ、これから」という時に退職するわけですから、出鼻をくじかれ、たまったものではなかったでしょう。
起業して3年間、バブル・ショックも手伝い、1人を残してすべての社員が退職するまで、負のスパイラルは続きました。
そして、ほとんどの資産をなくして、やっと気づいたのです。
社長と社員の関係よりも、社員同士の横のつながり――仲間意識を育む手伝いを社長自身、すべきであると・・・。
上下関係は重いものです。
必要ではありますが、社員はそれだけでは息が抜けず、息切れを起こし、息がつけなくなり、結局は退職という極端な行動を誘発してしまうのです。
横の仲間関係の中で、社員同士相談し合ったり、ガス抜きをしたりしなければ、長続きをするものではありません。
仲間同士の「横関係」が、会社成長の原動力。
私は反省を活かし、その後、採用を決める際には、必ず社員と応募者が面談する機会を作りました。
そして、社員から、応募者から、それぞれの印象を聞き、私の判断を加味して合否を決定することにしました。
入社後は、相性を意識しながら配置を決め、仲間同士がコミュニケーションできる機会をたくさん作ることにしました。
私自身も、その仲間の場に、極力参加するようにしました。
全員に、私の得意なカレーや秋田の名物「きりたんぽ鍋」をふるまったりしました。
上下関係は立場の関係から、言わずもがな成立しています。
だからこそ、自ら仲間に加わることで、上下関係の重さを少しでも軽くする努力が必要だと思ったのです。
おかげさまで、社員の定着率はよくなり、比例するように、傾いた会社が甦っていきました。
――なかなか応募者を集めにくい顧客の場合、求人広告の中に先輩社員を登場させると、応募者が増えるという法則があります。
ご参考までに。