ナナメの関係を軸とする「里親制度」で、社員の定着率を大幅アップ!!

parent-child

自著【失敗しない起業の法則37】↓

https://amzn.to/30CXbu6

上司との人間関係、実は社員が退職する大きな原因。

あなたが起業して、少し組織が大きくなり、総務・経理、営業、製造というように、いくつかのチームや部署ができたとします。

悩みのひとつは、入社しても短期間で辞める社員が多く、なかなか社員が定着してくれないこと。さて、あなたはどうしますか?

ひとつの方法ですが、「里親制度」をつくるという方法があります。

サラリーマン時代、私がお世話になった人材採用支援の会社、リクルートで「里親制度」がスタートした時の話です。その当時、私は名古屋の営業所で所長をしておりました。

里親制度とは、入社してきた新入社員を、他の部署の役職者が面倒を見る制度。

どんな内容かというと、月に1回、里子の悩み事を聞き、アドバイスをしたりフォローアップしたりすることでした。

直属の上司だと、仕事上の関係に終始しがちです。
自分の思ったことや悩みがあっても、上司には直接言えず、ストレスが溜まって退職するケースが往々にしてあります。

私自身も関わったことのある「転職希望者に関する意識調査」によると、「人間関係が良くないこと」が、転職理由の大きな理由として上げられます。
その人間関係の中で一番大きなウエイトを占めるのが「上司との人間関係」でした。

そんな背景もあり、社員の定着率を上げるためのひとつの方策として、他部署の役職者を「里親」にして会社の人間関係の面から新入社員をフォローしようと、新たな制度ができたのです。

仕事上の関係性は薄いですから、新入社員も直属の上司には相談できないことも話せます。

ただ悩みを聞き、愚痴を吐き出させるだけでもガス抜き効果があります。

強い上下関係と優しいナナメの関係の相乗効果が、新入社員を奮起させる。

直属の上司との関係が「上下関係」とすると、里親とは「ナナメの関係」に当たります。

私は二人の里子を受け持ちました。
ひとりは新卒採用部門の男性営業スタッフK、ひとりは中途採用部門の女性営業スタッフMでした。

それぞれ、営業所の近くにある居酒屋で飲みながら、食べながら、K 、Mの心の緊張感を取り除き、気持ちを前向きにすることを目的に会話していきました。

会話というより、主体はあくまで新入社員であり、8割方、K、Mからの話を聞くことに徹するようにしました。

今でいうコーチングの真似事でした。

相手の話を聞きながら、本人自らがマインドセットできるように持っていく・・・決して充分とは言えませんでしたが、曲がりなりにも、二人の定着面では寄与できたかな、と思っています。
後に、二人とも、新しい事業をけん引するリーダーに成長してくれました。

当時はまだ、日本でコーチング技術が浸透していた時代ではありませんでした。
あくまでも、上司からのティ―チングが主流でした。

あえて言うなら、「結果を厳しく問うティーチング」から「プロセスをほめるティ―チング」に移行しつつある時代でした。

その「プロセスをほめるティーチング」の上司との上下関係。加えて、コーチングの要素を含んだ里親制度によるナナメの関係。
その二つの相乗効果が新入社員を奮起させたようです。

里親制度の導入により、その時点から、前年までの新入社員の定着率を大きく上回る結果になりました。

この制度を導入・応用している経営者は意外に多いようです。

社員の定着に悩んでいるなら、ナナメの関係を軸とする「里親制度」を導入するのもひとつの手です。

——ランプの灯を灯し続けるには、たえず油を注がねばならない。(マザー・テレサ)