自分で決めることができなければ、起業しない方がいい。
「30年経営」を通して、編み出した私の法則のひとつは、「焦らず急げ」です。
起業すると、小さなことから大きなことまで、決断を迫られる毎日です。
私の場合、最初は、焦りから下手を打つことがたくさんありました。
自分で決めることを恐れ、周りからのアドバイスをそのまま受け入れるという愚行に走ってしまったからです。
うまくいかなければ、アドバイスしてくれた人間が悪いと、無言で非難していました。
ひどいですね。そんな状態で、うまくいくわけがありません。
経営者の自覚が足りなかったのです。
ある時、気づきました。
焦って、人のアドバイスをもとに即断するのは愚の骨頂。
結局、焦って決めたことは、行動の段階で右往左往し、うまくいかない分、いちばん時間がかかるものだと——。サラリーマン時代、よく上司に「まずは自分で決めなさい」と言われていることを思い出しました。
「焦らず急げ」の法則とは?
私は、ひとまず立ち止まり、自分で決断してみました。
多少時間がかかりましたが、人のアドバイスで即決した時と違い、ものごとはスムースに進み、早目に成果を収めることができました。
・最初の段階で立ち止まる。
・そして、自分で考え抜く。
・アドバイスを受けるにしても、自分で決断する。
・決断したら、すぐにスタートする。
・行動をスピードアップする。
・納期より早めに終える。
・振り返って検証する。
この7ステップが「焦らず急げ」の法則です。
PDCAを回す要領です。
サラリーマン時代も、私はこのステップを踏んでいましたが、ただひとつ違うのは、プラン(P)の重さ。あなたが経営者になったら、プラン(P)をいちばん大事にしてください。
そのPは、誰でもない経営者である、あなただけが判断できるものです。
経営者のプランひとつで、ものごとは進んだり、退いたりするものだからです。
私の場合、この「焦らず急げ」の7ステップを踏んで経営するようになってから、会社の業績は伸びていくようになりました。
起業前は、いい訓練期間ですね。
・自分はどんな事業をやりたいのか。
・いつから始めるのか。
・どういう形で起業するのか。
熟考して決断する期間なのです。
この事業プラン(P)を大事にしましょう。
ところで、PDCAの中で、サラリーマンが重視すべき点は何だと思いますか?
DとAです。
「DADAっ子の法則」です。(これについては、自著【失敗しない起業の法則37】第5章の「ヒューマン管理」の項目に書かせていただきました)
経営者は、「急ぐカメ」になろう。
ところで、この焦らず急げ!――ウサギとカメの競争に似ています。
・カメには絶対負けないと余裕のウサギは、レースの途中で寝てしまいます。
・カメは、自分のリズムで、一所懸命に歩きます。
・目覚めたウサギが焦ってゴールめがけて走るのですが、既にカメはゴールしていました。
さて、あなたはカメですか?ウサギですか?
・焦ると、まっしぐらに走ろうとしてしまいますね。
・その道の途中には険しい坂があるかもしれません。
・思わぬ邪魔が入り、トラブルが待ち構えているかもしれません。
一方、
・険しい坂を上らずに迂回。
・邪魔やトラブルを回避。
・ゴールを目指す。
さて、どちらが速く着くでしょうか?
急ぐカメと焦るウサギ、感覚値では7勝3敗です。
長く経営をしてきた私の実感値です。
経営者は「急ぐカメになろう」ということです。
実は、この話の中でいちばんのポイントは別にあります。
・焦ってゴールしたウサギは心身の疲労感から、続けてレースに参加することができません。
・急ぐカメには、レースを続行する余力があります。
これが会社をつぶさない経営の鉄則です。
少々遅いからと言って焦らなくていいですよ。
牛歩という言葉もあります。
息切れしないよう、ドンと構えて経営しましょう。
☆歩け、歩け。 続けることの大切さ。(伊能忠敬/江戸時代の測量家)
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自著【失敗しない起業の法則37】はコチラ↓