起業の相談をしてはいけないタブーの相手は、この意外な人物。

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大反対してくれる人は、起業の意志を固めるための強い味方?

あなたが今、起業を考えているとします。
でも、まだ起業することは確定していません。
ひょっとすると、このままサラリーマンを続ける可能性もあります。

そんな状況の中で、あなたは、その悩みを誰に相談しますか?

ついつい相談を持ちかけたくなる意外な人物がいます。
でも、その人は避けた方がいいでしょう。

私の話をします。

私はまず、親に相談しました。

大反対でした。それもそのはず。今となっては分かります。

親は子供が路頭に迷うような人生の選択肢に対して、いちばん反対する野党のようなものです。せっかくサラリーマンとして安定路線に乗っているなら、そのまま乗り続けることを希望します。

親は、私に対して影響力のある叔父や知人も駆使して、私に起業を諦めさせようとしました。当時は同居していませんでしたので、わざわざ本社に私を訪ねてきたこともありました。

私は、逆に反対されれば反対されるほど、起業への意志が固まっていきました。人間の心は不思議なものです。というより、私の性格がひねくれているのかもしれません。

次に、長いつき合いの友人に相談してみました。

起業GO派もいれば、NO派もいました。ただ、共通していたことは、最後に「・・・と自分は思うよ」という見解。

それはそうでしょう。いくら友人とはいっても、「絶対起業した方がいい」「絶対サラリーマンの方がいいよ」とは言えないわけですから・・・。

ズルい選択肢は、起業もサラリーマン人生もダメにしてしまう。

そして、私は何人かの会社の上司に相談を持ちかけてみました。

・みなさん、親身になって話を聞いてくれます。その時は、「やっぱり上司は頼りになる」と心が温かくなったものです。
・共通していたことは、最後に「君にはここでもっと活躍してほしいけど、最後は君が決めることだからね」という見解。

私は悩みました。

親の反対によって、逆に強くなった起業願望。

一方、上司の温かい励ましに触れ、まだサラリーマンのままでいたいという願望。

その思いを天秤にかけ、私はズルい第3の選択肢を用意しました。

「あと1年会社にいよう。その間に起業するかどうか決めればいい」

私は、そのことを相談相手の中のひとりの上司に伝えました。
上司はこう返してきました。

「そんな中途半端な気持ちじゃ起業できるわけがない。もちろん、サラリーマンとしても力は発揮できないよ」

私は、この言葉に愕然としました。
そして、自分の選択のズルさに恥ずかしくなりました・・・。

結果、私は予定通り、何とか親の合意を得て起業することになったのです。

会社の上司が、あなたの相談に矛盾した態度を取る理由。

そうです。サラリーマンを続けるか起業するか迷った時は、よっぽどの個人的な信頼関係がある場合を除き、会社の上司に相談することはタブーなのです。

相談相手の上司の気持ちになってみましょう。分かりやすくするため、あえてドラスティックな本音の部分に触れてみます。

・せっかく今まで引き上げてやったのに、起業するなんて裏切りだ。
・この件で自分の評価が下がってしまう。
・起業しよう言っていたのに、それを取り下げるなんて身勝手な奴だ。
・上司を何だと思っているんだ。
・早く次の人材を探さなくちゃ。

そんな心理ではないでしょうか?

いったん起業を口にしてしまった以上、もはや会社へのロイヤリテイはないものと上司は判断し、次のことを考え、上司の上司に事前報告している可能性があります。

以上から、起業の判断がつかない時期に、基本、会社の上司に相談するのはタブーと言っていいでしょう。

上司に相談する時は、円満退職するための「相談報告」のかたちで。

昨今、「出戻り社員」を歓迎する風潮が出てきました。

「アルムナイト・ネットワーク」という言葉があります。
転職が一般的なアメリカでは、2000年代からコンサルやIT業界など、人材不足の業界で元社員を再雇用する動きが拡大していきました。
それが今、日本でも拡大してきているのです。

そう言う意味では、上司に相談するのも新常態=ニューノーマルかもしれませんが、これはまだまだ一部の動きと捉えてください。

今は、起業の意志決定ができてから、「相談報告」というかたちで上司に相談する方がいいでしょう。相談することは、円満に退職するための方法です。

それがうまくいけば、将来、起業が仮にうまくいかなかった場合、「アルムナイト」できるかもしれませんね。

私のように、案外、大反対してくれる相談者によって、自分の起業の意志を確かめるというのが、いちばんいい方法かもしれません。

ご参考までに。

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