企業にぶら下がって生きていく時代は、過去のもの
「役職者になりたくない」サラリーマン、全体の中でどれぐらいのシェアを占めているか、ご存じですか?
「なりたくない」48,5%、「どちらかといえばなりたくない」34,5%、合せて83%です。(マンパワーグループ調査/2020年3月/役職についていない20代~50代正社員400人を対象)
実に、8割ものサラリーマンが出世を嫌っていることが、このデータで分かります。
「責任の重い仕事をしたくない」51%、「自分のやりたい仕事ができなくなる」17%という理由が物語るように、昭和を駆け抜けてきたサラリーマンにとっては驚くばかりです。
でも、これが今の時代の潮流なのでしょう。
それなら、前向きに解釈したいものです。
人生100年時代、企業の平均寿命は23,5年。
企業にぶら下がって生きていく時代は過去のものになろうとしていると・・・。
自分でやりたい仕事があるなら、会社の中で重い責任を負いたくないなら、起業するなり、副業・兼業するなり、自立した人生を送る選択をした方が賢明です。
昭和はスナックのキープボトルのランクアップが、出世のマイルストーン
昭和を駆け抜けてきたサラリーマンは、出世することがひとつの大きな目標であり、リッチな生活を送り、自分のプライドを満足させることのできる手段でした。
今から30年以上前、私が20代の頃、ほとんどのサラリーマンは出世を願っていました。
それこそ、8割が出世志向と言っても過言ではありません。
出世の階段を上がるごとに、スナックにキープするボトルのランクがアップしていく。そう聞いていましたし、確かに途中まではそうでした。
専属運転手が黒塗りの高級車で自宅に迎えに来る「重役出勤」は、当時のサラリーマンのあこがれでもありました。
ところが、平成元年、30歳の時に起業した私は、大きな現実のズレを感じることになります。それはリーマンショックによってもたらされました。
経営者は、重役出勤どころか、朝早くから夜遅くまで「24時間営業」が基本でした。そして、会社優先の価値観から個人と会社がイコールパートナーの時代に変わっていくことになります。
そういう30年の平成時代の変化を見てきた私からすると、今のサラリーマンの8割が役職者になりたくないという気持ちは理解できます。
ただし、昭和時代のように企業に面倒を見てもらうという「ぶら下がり―マン」の感覚があるなら、もうそんな時代は終わりましたよと言いたいのです。
企業で働く以上、経営者は社員にこう望んでいます。
・会社はいつどうなるか分からないから、自立できるように力をつけてほしい
・会社に明確な利益貢献をしてほしい
・会社の将来を担うリーダーシップを発揮してほしい
最後のリーダーシップに関しては、「役職者」「責任の重い仕事」とイコールのように思うかもしれませんが、全く違います。たとえ少数派であれ、役職とか責任が重いとかの「やらされ感」ではなく、自主的に率先垂範してほしいという願いが込められています。
起業するなら、小さな会社の社長?大きな会社の専門パートナー?
企業で出世することはゴールの時代ではありません。今やサラリーマンの共通の目標ではありません。
求人の流れを見てみると、リモートワークの求人がIT企業中心に大幅に増えていることが分かります。
2020年2月から2021年6月までの間に「勤務地不問」の求人数はなんと13,2倍(ビズリーチ調査)その求人は大企業か小企業の両極で増えています。
なぜか?
大企業は、仕事が分割・分業されています。
小さな企業は、もともと柔軟で機動的に動けます。
だから、リモートワークの求人がしやすいというわけです。
逆にいうと、中規模の会社がリモートワークしづらいということです。
これは何を意味しているか?
小さな会社でリーダーシップを執るか、大きな会社で専門的な力を発揮するか、自立するなら、その両極のどちらかに就くということです。
究極は経営者もしくは専門職として起業するということです。
直近であれば、そういう環境のもとで働くか、兼業・副業するかです。
中途半端であれば、企業にぶら下がることになりかねません。
また、「一人社長」「個人事業主」は間違いなく増えていくでしょう。
サラリーマンは、企業内でも自立を要求される時代です。
企業にとどまって自立するか、起業するか。
あなたが起業するとすれば、どんな思いで、どんなかたちで起業しますか?
一度描いてみてください。
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