考え方と熱意・能力をかけ算したらマイナスになることもある方程式とは?
人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力
京セラを一大企業にし、KDDIを創業して国民のために通信費を安価にしたり、どの経営者でも無理と言われたJALを無報酬で復活させた稀代の経営者、稲盛和夫氏の哲学です。
・この哲学は、たくさんの経営者に影響を与えていますが、私が個人的にスゴイ!と思ったのは、この方程式が、熱意と能力は0~100%の間にあり、考え方は-100%~+100%の間にあることです。
・仮に、強い熱意と大きな能力を持っていた場合、不純な考え方をしていたら(社会や人のためにならない考えを持ったら)、2つのプラスが100に近ければ近いほど、掛け算すれば、逆に大きなマイナスを生むからです。
方程式だけを見れば、悪い考え方をするより、何も考えなくても0。
まだそっちの方がましだよ、となります。
もちろん、3つのかけ合わせの相乗効果を期待する方程式です。
何も考えないというのは極論ですが、
「まずは世のため人のためになる考えを持とう」ということです。
「優秀な人間」にはマイナス面がある。過信してはいけない。
かつて、ある知人の経営コンサルタントが、こんな話をしてくれました。
「人間関係はかけ算。プラスの人間にマイナスの人間をつけちゃいけない」
という話です。これには共感しました。
稲盛氏の哲学に共通する考え方だと思いました。
ひょっとしたら、その知人は稲盛哲学に影響を受けていたのかもしれません。
ところで、私は長い間、中小企業の人材採用の支援業務をしてきました。
「優秀な人間を採用したい」
人材採用する時の社長のセリフでいちばん多かったセリフです。
では、その優秀な人間とは、どんな人か・・・?
振り返ると、多くの中小企業の社長は、学校のブランド、キャリア、頭の良さを求めていました。
ところが、そういう人間を採用してしまうと、往々にして、会社の業績が傾いていくものです。そして、そういう現実もたくさん見てきました。
「優秀な人間は自我が強く、反作用が起きやすい。使える人間を採用しましょう」
私はよく、そんなアドバイスをしたものです。
使える人間と言うと悪い言葉に聞こえますが、そうではありません。
イエスマンを採用しようといっているわけでもありません。
前述の意味の「優秀な人間」を採用してしまうと、その人間に仕事を任せっ放しにしてしまい、業績チェックやマネジメントが甘くなるからです。
そうなると、その社員の自我が膨張して、社長自身が使われてしまうことになります。
社長が社員を掌握できなければ、会社がうまくいくわけはありません。
だから、「使える人間」でなくてはならないのです。
社長×社員=成長の前提にあるものとは?
あなたが起業を考えているなら、社長であるあなたと採用する社員の相性をまず見ましょう。
・仕事に向かう姿勢が一緒であること。
・会社が誰のためにあるのかという理念に共感できること。
・会社の商品・サービス・社風を気に入っていること。
つまり、「考え方」が一致していることが大事です。
一致していれば、その社員は使えます。
社長と社員の考えはどちらもプラスなのですから。
後は、熱意と能力の磨き込みですね。
この考え方で社員採用を行っている会社は成長路線を歩んでいる会社が多く、大変な事態が起こっても、早期に回復しています。
・・・もちろん、社長の考え方自体から不純物を取り除く必要はありますが。
☆仲間がいなければ人は幸せになれない?