「女性を大事にする会社は成長する」教えてくれたのは○○上司

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昭和時代、数少ない女性上司のパワーは男性以上だった

昭和時代、サラリーマンだった時のこと。
私は、3人の女性上司に育ててもらいました。

その時の体験を踏まえて、お話しさせていただきます。

その3人の女性の存在があったからこそ、起業後に会社経営がぐらついた時も、その苦境を乗り越えることができたのだと、心底思います。

初めて自分の上司が女性であることを告げられた時、正直とまどいました。
当時の昭和時代の男社会の中で、男性と競いながら地位を獲得した少数の女性たち。

(どんな男勝りの女性上司なんだろう。やりにくくないかなあ)
失礼ながら、それが正直な気持ちでした。

もちろん、3人とも男勝りの部分はありました。
むしろ、仕事に対する姿勢の厳しさは男性以上でしたから・・・。

でも、部下に対する姿勢は真摯で細やかでした。
距離を取ってつき合おうとしていた自分を、いきなり磁石のように惹きつけてしまう不思議なパワーを、3人とも持っていました。

彼女らは、私に成果を求め、プロセスの中で報告を要求し、その努力と評価に対してしっかり評価してくれました。

何よりも、組織を結集して、大きな成果を上げる女性上司の行動力には傑出したものがありました。

私は女性の力の素晴らしさをこの目で見、自分自身も鍛えられていったのです。

平成時代、バブル・リーマン2大ショック。支えてくれた女性社員たち

平成元年、起業して最初の営業スタッフを採用する時、私は女性社員をパートナーとして採用しました。

女性の優秀さが事業にいい影響を与えるということを、サラリーマン時代の体験から確信していたからです。

そして、その確信がかたちになるのに、そんなに時間はかかりませんでした。

数年間、営業、制作、事務を女性中心に組織化したところ、2年間、業績が上向き続けました。

その後バブルショックの影響もあり、会社を畳みかける寸前までいった時、残ってくれたのは数人の女性でした。

「スタッフワークは私がやりますから、社長は営業に専念してください」
その女性社員の励ましの言葉に、どんなに勇気づけられたか分かりません。

バブルショックを乗り越えた後も、リーマンショックも含め、さまざまな荒波は押し寄せてきました。
その都度、私は女性社員の支えを頼りに会社経営をしてきたのです。

自分の中に、女性の母性に甘える部分は確かにありました。
でもそれ以上に、かつて女性の戦力の素晴らしさを目の当たりにしたこと。
そのことが、女性が活躍できる会社をつくるきっかけになったことは間違いありません。

もちろん、女性は男性よりも優秀、女性の戦力は全員素晴らしい、なんていう気は全くありません。

『女性の戦力を正当に評価し、女性がイキイキ仕事をしている会社は伸びる』ということを言いたいのです。

本人たちからすると充分ではなかったかもしれませんが、私はその思いをもって経営してきました。

私からすると、遅まきながらに見えますが、国も女性の活躍を具体的に応援する施策を打ち出してきています。でも、女性管理職比率の少なさや給与のジェンダーギャップなどの問題は未解決で、まだ道半ばですが・・・。

一方、現実的には「女性の戦力」を軸にして「働き方改革」を行っている企業は、大手・中小に関わらず既に多数存在し、成長しています。

このお話の最後になりましたが、サラリーマン時代にお世話になった3人の女性上司には、心より感謝しています。