会社エグジット→後継者のいない中小企業の社長が、会社を第三者に売却することによって、自分の次の人生、そして家族・社員・取引先などの利害関係者の幸せを創造し、大廃業時代が来るといわれている日本経済を救う愛ある行為
手がかかる子供の方にこそ愛着がわく
あなたが長年に渡って会社を経営してきたとしましょう。
あなたにとって、会社とはどんな存在でしょうか?
一度想像してみてください。
私の場合は「子供のような存在」でした。
子供は、手がかかった方が愛着がわくものです。
バブル・ショックの時は、倒産寸前で持ちこたえ、リーマン・ショックの時は、社員の3分の1を自宅待機させる状態にしてしまいました。
私だけではありません。
同業者も、私の社長仲間も苦労していました。
会社の浮沈は誰でも経験していることではないでしょうか。
会社の創業期は脇目も振らず、会社を成長させるために、孤軍奮闘。
成長期に入ると、社員と一緒に、会社をもっと良くするためにチーム力を発揮。
そして、変革期。私もそうでしたが、どうしたら次のステップを踏めるのか、頭を悩ませたのではないでしょうか。
業績が厳しい時は泣かされ、好調な時は喜びを与えられる・・・まさに、会社は子どものような存在です。
ほかの子にはない強みと持ち味を「親心」でアピール
会社は常に一定ではありません。
手塩にかけてこそ存続でき、価値が高くなるものです。
放っておいても何の問題もなく、常に成長してきた会社はないに等しいでしょう。あるとしても、手がかかる子供より愛着は薄いはずです。
オーナーとして、会社経営の執行責任者を他の人に任せている場合も、そうではないでしょうか。
でも、中小企業の圧倒的多数は、オーナー=経営の執行責任者です。
常に自分と会社は一体なのです。
その愛着ある会社を手放すことは、まさに娘を嫁に出すことと同じような意味を持ちます。娘を120%幸せにしてくれる男に嫁がせたい。これが親心ではないでしょうか。
私の場合は息子だけで娘はいませんが、娘を泣く泣く嫁に出す複数の社長仲間を見、その心境を察するに、会社エグジットする時の私の心境そのものではないかと思わされました。
会社エグジット先の社長と交渉する場合は、この「親心」を持って交渉しましょう。
娘である会社の、他社より優れた強みと他社にはない持ち味。
それを具体的な数値も含めて提示し、エグジット先に最高のシナジー効果をもたらすことをメリットとしてアピールするのです。
必要なら、会社をエグジットする前に、会社を磨き(社員・顧客価値の向上、会社の弱点補強など)、価値を高めておいてもいいでしょう。
自分の娘の価値に自信を持ち、堂々と交渉しましょう。
最初から妥協ありきの交渉は避けたいものです。
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