会社の将来が危ない!・・・こんな状態だったら廃業するしかない!?
赤字が続くなら、会社の存続が危ぶまれますね。私も、平成元年に30歳で会社を設立した4年後、バブル・ショックで、会社を倒産寸前まで追いやったことがあります。あの時はきつかった・・・それが正直な気持ちです。
社員が次々に辞め、最後は社員1人が残った状態までいきました。バブル・ショックの1年前、もう1フロア借りて事務所を拡張していたのですが、元のフロアの賃借料も払えない状態。2フロアの事務所から、狭くて賃借料が安価な事務所に引っ越さざるを得ませんでした。新しく借りていた1フロアの保証金400万円も、契約上、戻ってくることはありませんでした。
平成元年から2年間は黒字だったものの、平成3~4年は2期連続の赤字。会社は、一気に倒産への道をひた走っていました。
「半年間で復活の兆しが見えなかったら、廃業してサラリーマンに戻り、借金を返す」親とそういう約束を交わし、好きなお酒以外は出ていくお金を最大限減らし、がむしゃらに仕事をするしかありませんでした。
家族や取引先の協力もあり、半年経たずに単月の黒字を出すことができ、おかげさまで、会社を続けることができました。
その時、私はこう自分に約束しました。
・これからは、もっと社員と共に仕事をしよう。
・協力してくれた取引先を大事にしよう。
・身の丈に合わない投資はしないこと。
・自分のメンターには、早目早目に相談すること。
・マイナスの状態になったら、そのままにせず、期限を決めて行動すること。
20年後、会社を売却するに当たり、私はバブル・ショック後の会社と自分の歴史を振り返ってみました。会社を続けてきて良かった・・・ひと言で言うと、そんな思いがこみ上げてきました。
会社の価値を判断するのは、あくまで買い手であることを覚えておこう。
会社の売却先は、会社のキャッシュフローなどの金融資産だけではなく、社員と顧客の価値を高く評価してくれたのです。
ひとつ、先走りしないでほしいことがあります。たとえ赤字であっても、借金があっても、コロナ禍で業績がダウンしていても、焦って、あるいは諦めて廃業してしまうことは避けましょう。
・社員や顧客の価値。
・許認可資格の価値。
・扱い商品・サービスの価値。
など、買い手が評価するプラスの資産があることが意外と多いものです。
この無形の資産が、買い手が評価する「のれん代」です。
価値を判断するのは、あくまでも買い手です。上記のような価値を高く評価してもらえるなら、仮に負債額の方が大きくても、評価額がそこに加算され、会社売却ができると同時に、利益分のキャッシュが入るケースが多くあることを忘れないでください。
思い込みで廃業したならば、負債を背負って会社を閉じることになり、利害関係者に迷惑をかけると同時に、自分のこれからの生活もままならなくなってしまいます。その前に、会社の価値を査定してみましょう。