「会社売却」に対するプライドとジェラシーがメラメラと・・・。
同業のH社長と、「一緒になったら面白いかもね」と、会社同士の合併の話が出た時、私が会社の売却側になりそうだったので、早々に話を切り上げることにしました。
それ以来、私の中を、プライドとジェラシーが駆け巡る日々が続きました。
▽もう人の下では働きたくない。僕は社長なんだ!
△社歴も浅く、僕より年下なのに、なぜHが買収側になるんだ!
湧き上がってくる、この何とも処理しがたい気持ち。
小学生の頃、勉強でもスポーツでも№1だったのに、中学に進学して、どちらの分野も負けてしまった時の気持ちが甦ってきました。
あの時のどす黒い気持ち・・・封印したと思っていた感情。
パンドラの箱を開けるというのは、こういうことなのかと、その感情の始末に私は困り果ててしまいました。
人間だから、プライドもジェラシーもあるさと、その感情を受け止めてみたものの、何の解決も生み出しません。
一方、もう一人の自分は、冷静になれ!と指令を送ってきます。
会社を売ることで、社長同士が上下関係になるわけではない。
・・・1カ月後、私は、自分の中の葛藤からやっと抜け出すことができました。
なぜか――それは、実にシンプルなことでした。
会社を売ることは、上下関係をつくるわけではなく、上下関係から解放されることだと分かったからです。
売却先との上下関係は、現社員と売却先の社長との間に生じる関係であって、自分が望まなければ、自分自身は売却先社長の部下になる必要はない。
そう気づいた時、私は再びHに会うためにアポイントを取ることにしました。
私はどうやら、会社を売却することに対して、色眼鏡を通して見たり、思い込んだり、判断していたようでした。
上下関係については、1カ月間で感情の矛先を収めることができたのですが、色眼鏡で判断していたことは他にもありました。
会社売却にブレーキがかかる、たくさんの色眼鏡とは・・・。
※以下は、私だけではなく、先輩社長たちからの取材内容も反映させています。
●会社を売るのは後ろめたい。廃業する方がまだまし・・・。
●会社の買収はハゲタカがやること。会社は売り物ではない・・・。
●やっぱり会社は、親族か幹部社員に継承するもの・・・。
●足元を見られてはたまったものじゃない。そのうち、もっと会社の価値は上がるはず・・・。
●会社の売却って、時間とコストが相当かかるのでは・・・。
●赤字だったら、売却先は1社もないのでは・・・。
●そもそも社長業は続けたい・・・。
これらに関しては、Hとの再会、「仮に一緒になるなら」という話し合いの中で、そしてキーマンや書籍から情報収集する中で収まりがついていきました。
解決するまで3カ月ほどかかり、「仮に一緒になるなら・・・」の「仮に」がもう外れそうなところまで来ていました。
そこに貢献してくれた人物が、仕入先の経営渉外スタッフ、Oでした――。
※次回からの事業承継は、「迷惑廃業につながる、曇った色眼鏡10」をお届けします。その後、私の会社売却ストーリーは続いていきます。
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