新常態(ニューノーマル)が、あなたの人生を激変させる、5つのキーワード

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「新常態」って、いつ生まれた言葉で、どんな意味?

「新常態」という言葉、最近よく耳にしませんか?

コロナウイルス問題が発生してから、使われ始めた言葉です。

英語では、「ニューノーマル」となります。

この言葉、コロナによって生まれたのでしょうか?

――いえ、それが違うのです。

実はこの「ニューノーマル」は、リーマンショックの前、アメリカのITバブル後の2003年ごろのアメリカの状況を指して、ベンチャーキャピタルを運営していたロジャー・マクナミー氏が使い出した言葉と言われています。

そして、2007~2008年のリーマンショックの時、経済は元に戻るだろうという経済学者や政策決定者に警鐘を鳴らす言葉として大きく取り上げられたようです。(フリー百科事典「ウィキぺディア」より)

つまり、これはアメリカで生まれた言葉なのです。

ニューノーマルを日本語に訳して「新常態」となったのです。

世界経済は、リーマンショックから立ち直っても、構造的な変化には逆らえず、もとの姿には戻れないという見解から生まれた言葉と言ってもいいでしょう。

新たな状態や常識を受け入れようという言葉とも取れます。

ちなみに、中国では、2012年から経済が減速を見せ始め、二桁成長を続けてきた中国が、2014年に7%まで鈍化した時、総書記の習近平氏が「新常態」に入りつつあると発言しています。

今回のコロナウイルス問題で、日本のマスコミや政治家は、「新常態」という言葉を使い始めました。特に、これまでとは違った日常生活を強いられることから、「新しい日常」とも訳されています。

フランスのマクロン大統領は、コロナの流行は「資本主義を作り変える力がある」と指摘し、社会インフラが崩壊し、コロナ前と同じ生活はできないニューノーマルが当たり前になると述べています。この話が日本のマスコミや政治家を刺激したと言えるかもしれません。

今起こっている「新常態」、身近な5つのキーワード

コロナウイルス問題で出てきた「新常態」の事例から、5つのキーワードを引っ張ってみました。

・コロナ終息後もテレワーク継続希望者7割⇒職住接近

・ソーシャルディスタンス(人間には社会的距離感が必要)、ノンスキンシップ(非接触が安全)⇒命の安全距離

・オンラインビジネスなど、副業・起業希望者が増大⇒自立ビジネス

・オンラインの人間関係が世界的な広がり⇒ネット仲間

・店舗ビジネスがネットとの融合型に。(小売業全般)⇒オリジナリティ

いかがですか?

職住接近、命の安全距離、自立ビジネス、ネット仲間、オリジナリティ

――あなたにとって身近なキーワードではないでしょうか?

新常態は、あなたにどう影響する?

職住接近・・・数の上では、日本は圧倒的なサラリーマン社会です。会社に通勤することが当たり前で、各交通網のインフラは必要不可欠なものでした。かつて職住接近生活している人は、自営業の人たちか、農業などの第一次産業に従事している人たちでした。それがテレワークなどの働き方改革によって新常態化するということです。

命の安全距離・・・今まで握手すること、ハグすることは、特に欧米では挨拶代わりの日常行為でした。人間関係を良好に保つ行為であったのが、一転して命の危機を招く行為に変わってしまったのです。
距離を取りながら親密度を増すには、言葉が大事になります。
「こんにちは」などの挨拶言葉、「有り難う」「おかげさまで」などの感謝言葉を新常態化していかないと、人間関係が崩れやすくなるでしょう。

自立ビジネス・・・テレワークで新たにできた時間を使って、目減りした給与を補填するため、あるいは好きな趣味をビジネスにするため、副業、ひいては起業を希望する人が増えています。これからは、オンラインビジネスで職住接近する「ひとり社長」が新常態化する可能性があります。

ネット仲間・・・オンライン飲み会、オンライン学習、オンライン趣味の会でソーシャルディスタンス、ノンスキンシップの環境で、同じ目的を持った仲間がゆるくつながっています。アフターコロナでは、オフラインのリアルな集まりも含めて、たくさんのコミュニティが誕生し、新常態化していることでしょう。
強い友人関係も大事ですが、気軽につき合える仲間とたくさんつながっていく社会の方が広がりがあります。

オリジナリティ・・・小売業に店舗は必須、成長は店の数を拡大すること、という考えは過去のものになりつつあります。
アパレルは店舗とネットの融合を図っている途上にあります。
コンビニ業界の店舗インフラは限界状態になってきており、1店舗当たりの顧客数の伸びが鈍化しています。そのため、大手3社とも、オリジナリティを出すことが新常態となってきています。

「世の中は元には戻らない」と思えば、幸せになれる。

AI、ロボットに代替される雇用は50%というデータがあります。(マッキンゼー)

データ分析など、世界に1億4900万人分の雇用が生まれるとも言われています。(マイクロソフト)

近い将来、今あなたがついている仕事がなくなる可能性があります。

でも一方、新しい仕事も生まれるのです。

かつて、電話交換手、写植オペレーターという仕事が、女性に人気の仕事でしたが、今はありません。
それでは、その仕事についていた人は働くことを止めたでしょうか?
ほとんどの人たちは、別の仕事に就くために努力したはずですね。

だから、今に始まったことではありません。

かつてもあったことです。

ただし、違うことがひとつあります。

ネットの発展、AI技術の導入によって、その変化が劇的にスピードアップしているということです。
この変化に対応するためには、もうひとつのスキルを早く磨いておいた方がいいということになります。

できたら好きなこと、趣味にしていること、ネットに関連したことで腕を磨いておいたらいかがでしょう。可能ならば、ムリのない時間の範囲内で副業をしてみたら、いちばん良い実験になるのではないでしょうか。

こう考えましょう。

世の中は新常態(ニューノーマル)が当たり前。世の中はもう元には戻らないと・・・。

➀マイクロソフトのCEO、サティア・ナデラ氏は、こう言っています。
「2年分のデジタル変革が2カ月で起きた」
⇒元に戻れないどころか、既に未来を生きているということです。
だから、早く変化に対応できるようアクションを起こしましょうということです。

②バブル崩壊で「失われた10年」のさなか、ドラッカーがこう言っています。「日本は、ルネッサンス(再生)の用意はできているか」
⇒それでどうなったでしょうか?
失われた10年は20年になり、30年になってしまいました。
かつての日本の変化への対応力が鈍くなっているようです。

(➀②⇒「致知」8月号/第18回仕事と人生に生かすドラッカーの教え/ドラッカー学会理事・佐藤等氏のコラムより、一部文章を引用させていただきました)

過去に戻れないと思ったら、先を見るしかありません。

そして、プラス1のスキルを磨けば、未来を生きる自信が生まれます。

それが幸せを実感することにつながります。

プラス1のスキルを磨こう。