起業と事業承継は、経営者にとって最も大きな2つの事業
サラリーマンから独立して会社経営をした場合、経営者が最も大きな事業を行う瞬間が2度あります。
1度目は起業する時、2度目は事業承継する時です。
起業時には基本、余裕資金はありません。
お金が底をつくのも早く、うまくいかなければ、その時点でジ・エンドです。
事業承継がうまくいかなければ、廃業の道を歩むことになります。
現在、60歳以上の経営者が全体の6割、後継者不在の経営者も6割。
このままでは、経産省が警告を鳴らしているように「大廃業時代」が訪れます。つまり、最初と最後を経営者がうまくかじ取りできれば、会社は継続していくことができるというわけです。
ところで、会社の寿命は何年だと思いますか?
23,3年です。(2020年/東京商工リサーチ調査)
事業承継して継続している企業も含まれますから、割と短命に感じるかもしれません。これだと、サラリーマンもひとつの会社にしがみついて生きていくことは現実的ではないように思えますね。
転職者が増えている現状もありますし、コロナ禍による将来不安も手伝い、企業はずっと続くとは限らないという考え方は既に浸透しているようですが・・・.
私自身のことをたとえにします。
私は30歳で起業し、55歳で会社を同業社に売却しました。
その間、25年です。
今も引き続き、売却先の顧問ではありますが、私の会社は、実質25年の寿命でした。
そう考えると、23,3年というのは現実的な数字に思えます。
経営者としての「社会貢献」、あなたにとって、それは何ですか?
私は、事業承継する時、この25年間の間にどんな社会貢献をしてきたのか、じっくり振り返ってみました。
そして、「5万人」という数字が出てきたのです。
どういう数字かと言いますと、私が25年間の中で人材採用を望む企業約7500社に就職・転職した人の数です。
求人情報の商社として、求人情報誌・求人サイトを通して5万人の雇用をつくったということです。
これを私の生まれ故郷、秋田県の市の人口に換算すると、能代市(バスケットボールの強豪、能代工業高校のある市)、湯沢市(菅首相の生まれ故郷)に匹敵します。
第2の故郷、愛知県の市町の人口に換算すると、常滑市(常滑焼で有名)、東浦町(中日本で一番人口の多い町)に匹敵します。
そう考えると、日本の労働者人口6657万人(2021年4月時点)の中の5万人という規模は、意外に大きいように感じます。
大げさに言ってしまえば、25年の企業活動は、市や町を生み出すほどの社会貢献事業だったということになります。
今から起業するあなたは、社会貢献の内容と目的・目標を、これから設定してみてはいかがでしょうか?
今から会社売却をしようとしているあなたは、今までしてきた社会貢献事業の内容と結果を整理してみてはいかがでしょうか?
そうすれば、相手に、自社の大きな価値を感じてもらえるのではないでしょうか。
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