コロナ禍が、本来あるべき「企業の世代交代」に火をつけた

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なぜ、この1年で起業は急増したのか?5つの理由

2021年の4月~9月に起業した新設法人の数は6万6530社。
前年同期比で34,6パーセント増。
しかも、全国1077市区町村に渡っていますから、地方も含めた全国的な動きになっています。

なぜ、起業が急増したのか、理由をピックアップしてみました。

・会社の平均寿命は約24年。人生100年時代
ひとつの会社で、ずっとサラリーマンとして生きていくのは難しいと考える人が増えているため。

・管理職になりたくないサラリーマン約8割
(マンパワーグループ調査)
自分のやりたい仕事を極めた方がいいという「専門職志向」が強まっていると同時に、現場の実務とマネジメントの両方を要求される「プレイイングマネジャー」への抵抗が強いため。

・サラリーマンの賃金が、この30年でほぼ横バイ
この30年間で、アメリカの賃金は2,6倍になっているのに、日本は4%増止まり(OECD調査)。このままでは生活に困ってしまうため。

・副業の増加
大手企業中心に、「副業」を認める企業が増えてきている。また、ネットを通じて手軽にできる副業が増えてきたため。

・中小企業の業績悪化の可能性
中小企業の倒産件数が50年ぶりに低水準。喜ばしい話ではあるが、これは表面の数値で、実は政府のコロナ対策によって、倒産を回避したことによる。助成が打ち切られると、倒産や廃業が激増する可能性があるため。

以上、5つの観点から理由を挙げてみました。

このままでは、2025年、中小企業の3分の1が廃業になる!?

前述の業績の悪化以外は、以前からサラリーマンの中にくすぶっていた不安であり、不満でした。

それが一挙に表面化するきっかけをつくったのが「コロナ禍」でした。
コロナ禍により、働き方改革が一挙に動き出したのです。

会社に通勤せずに自宅でテレワーク。自分で使える時間が増えました。
会社の業績が思わしくなく、将来に向けて自立する必要性を感じる人が増えました。

それが副業につながり、起業につながっていった――そうとらえると、この1年間での新規法人数の急増は理解できます。

コロナ禍によって、価値観が大転換したというわけです。
今の言葉で言えば「ニューノーマル」です。

現在、60歳以上の経営者が全体の6割を占めています。

本来なら、事業承継を考えるべき年代ですが、後継者のいない経営者は3分の2存在し、社会問題化しつつあります。

70代前半の「団塊の世代」が2025年に経営者を卒業すると、127万社の中小企業が廃業(そのうちの半分が黒字廃業)すると警鐘が鳴らされています。「2025年問題」です。

そうなると、失業者が600万人発生し、22兆円の経済損失を生んでしまいます。(経産省調べ)

これを避けるために、後継者のいない経営者が、第三者に事業売却する動きは加速していくでしょう。

今回の起業の急増は、その動きと同時進行で進んでいるようです。
やっと本来のあるべき「世代交代」の時期がやってきたようです。

コロナ禍は、悲しい災禍をもたらしました。

でも一方で、働き方やライフスタイルに対する価値観を変え、「自立心」を目覚めさせてくれました。

起業にしても、事業承継にしても、今が真剣に考える時期ではないでしょうか。

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