バブル崩壊により、会社は倒産の危機に瀕していました。
平成元年に会社を創った3年後のことでした。
今からほぼ、30年前の出来事でした。
借金も抱え、八方ふさがりの状態。
社員は、ひとりを残し、全員去っていきました。
事務所は、賃貸料の安いところに引っ越し、
東京出張の際は深夜バス。タクシーは、基本遣いませんでした。
こうして経費を抑え、副業も含め、ただひたすら新しい顧客を探して歩き続けました。
「半年後にこの状態から抜け出せなかったら、サラリーマンに戻りなさい」
これが、両親から持ち掛けられた提案でした。
この状態では、半年後に生活さえもが破綻することは目に見えていたから、これは当然の提案に思えました。
半年の期限付き——そう考えると、逆に力が湧いてきました。
半年間で力を出し切ったら、結果は2択。
伸るか反るかと割り切ることができました。
・・・火事場の馬鹿力とはよく言ったものです。
おかげさまで、半年後には、単月黒字を達成。
顧客も増え、光が見えてきました。
仕入先、取引先にもご協力いただき、何とか倒産は免れることができました。
難局は、半年の期限付きで乗り越えろ!
親は、私に、とっておきの励まし言葉をくれたものです。
本当にありがとう――。