ジョブ型のテレワークで、たくさんの起業家が生まれる理由。

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テレワークは、アフターコロナも続く!?

新型コロナウイルスによって、人命・社会・経済危機、いわゆるパンデミックを引き起こさないように、その防御策のひとつとして、「テレワーク」が推奨されてきました。

2019年法制化された「働き方改革」の流れであり、東京では、オリンピックの混雑を軽減するための実験として、既に大手企業ではテレワークの実験が始まっていました。

その土壌があったことが幸いしたのか、コロナ問題によって、テレワークに移行した会社は、意外に多かった・・・そう思った方がたくさんいるのではないでしょうか。

そして、大手企業や都会のスタートアップ企業、中小IT企業を中心に、アフターコロナも、多くの企業がこのままテレワークを続けたいと希望しています。

7割のサラリーマンが継続希望。でも、露呈した3つの不安。

一方、サラリーマンの方はどうでしょうか。

実は、コロナ終息後も7割はテレワークの継続を望んでいるようです。

ただ、こんな不安を訴えています。

・非対面のやり取りは、相手の気持ちが分かりにくい。
・上司から公平・公正に評価してもらえるのか。
・仕事をさぼっていると思われないか。

いかがですか?

あなたがテレワークを経験された方なら、頷けるかもしれませんね。

なぜ、こんな不安が生まれてくるのでしょうか?

日本は、人に仕事を割り当てる「メンバーシップ型」

下の表を見てみましょう。

日本と欧米を、サラリーマンが就いている職種によってシェアがどう違うかを比較したものです。

欧米では専門職に就く人が多く、テレワークに適していると言えます。

日本は、サービス・販売従事者が多く、人と対面することに慣れているため、欧米に比べてテレワークに馴染みにくいと言えます。

もちろん、今後、ソーシャルディスタンスが定着し、zoomなどによってオンライン営業が増えてくることが予想されます。
そうすれば、欧米に遅ればせながらも、テレワークは広がっていくでしょう。

ただ現在は、前述の3つの不安に代表されるように、テレワークの広がりにはブレーキがかかるでしょう。

なぜだと思いますか?

それは、日本は今まで、人に仕事を割り当てるという「メンバーシップ型」のマネージメントをしてきたからです。

・会社が長い目で社員の面倒を見る。(終身雇用)
・長く働くにつれ、評価が上がっていく。(年功序列)

この2つの制度は、時と共に崩れつつありますが、ベースの部分では残っています。

どういうことかと言いますと、いくら実力主義、成果主義に代わってきているとしても、上司が部下と会話をしながら仕事を遂行し、上司が部下を評価するという構造は変わっていないからです。

そのため、部下はテレワークに不安を覚え、上司の方も、どう部下とつき合い、どう評価したらいいか分からず、戸惑っているのです。

仕事に人を割り当てる「ジョブ型」は、「働き方改革」の起爆剤になるか?

欧米型はどうでしょうか?

・欧米は仕事ありきです。その仕事を、誰に遂行してもらうかと考えます。
・「職務記述書(ジョブディスクリプション)」に職務内容、勤務地・時間、報酬を詳しく記述して労働契約を結びます。
・年齢や勤続年数は関係ありません。あくまでも実力、成果で評価します。

いかがですか?

「ジョブ型」にすれば、テレワークは可能になると思いませんか?

そうなのです。

上司は部下の成果を求め、部下は成果を出せばいいのです。

もたれあいがないというか、義理と情は排除することができます。

ところが、ひとつ問題があります。

・極論すると、仕事が終了したらそれで終わり、なのです。
・会社の方針転換によって、たとえ成果を上げてきたにしても、仕事がなければ契約終了です。
・途中で解雇することのできる法律もあります。
・日本では、未だにその法律は国会を通っていません。

「メンバーシップ型」マネジメントと国の支援によって、会社の経済状況が苦しくても、一時帰休などで雇用が守られてもいます。

「ジョブ型」は、サラリーマンの自立が条件。時間給ではなく、成果給に。

テレワークを推進するなら、ジョブ型にするのがいちばんの方法ですが、それにはサラリーマンが自立することが条件になります。

欧米型のように、いきなり今、ドラステックな雇用関係にする必要はありませんが、成果主義に制度変更していく必要はあります。

会社側は社員にスキルと成果を要求し、社員は成果に基づいた給与を得ればいいのです。そこに、手段としてのテレワークが存在するという考え方です。

そのためには、時間給からの脱却を図り、成果に対する給与制度に切り替えればいいのです。

そしてもうひとつ。

・テレワークを推進すれば、出社するための交通費が浮きます。
・それを、ネット回線費、光熱費などとともに、「テレワーク手当」として給料に上乗せすればいいのです。

日立や富士通などの大手企業は、「ジョブ型」を全社に広げる計画のようです。

遠隔勤務、副業歓迎――企業は、サラリーマンの自立に期待している。

ここで、2つのニュースをお知らせします。

●都会のスタートアップ企業、中小IT企業が、地方に遠隔勤務の人材を募集。

都会で大手企業と待遇で戦っても勝てない。

地方なら、大手企業は地域限定社員として待遇を少し低く設定する。

それなら地方の人材を採用し、テレワークしてもらおうというわけです。

さらに、本社自体を地方に移す企業が出現しています。

こうなると、地方で伸び伸び働く方がいいと、都会から地方に人口流出が

起こる可能性があります。

これは、歓迎されるべきことではないでしょうか。

●ヤフーが、高スキルの「副業人材」を100人募集。

ヤフーが、他社で働く高スキルな人材を、副業人材として起用することにしたようです。

実際、7月16日の日経新聞や朝日新聞の1面で募集していました。
アドバイザーは月5時間、事業ごとの専門人材は週1日以上という条件です。
ジョブ型人材を副業で獲得しようとするものです。

テレワーク⇒ジョブ型人材⇒副業、遠隔勤務

働き方改革の、ひとつのあるべき姿ではないでしょうか。

これを実現する前提は、明らかにサラリーマンの自立です。

ジョブ型人間の次に来るのは、「フリーランス型」

スキルを磨き、副業もできるようなら、会社からまとまった仕事を請け負ったり、事業パートナーとして関わったり、社内でフリーランンスのように働くという働き方もでてくるでしょう。

ここまでくると、「働き方改革」は縦横に広がっていきますね。

必然的に、起業する人間が増え、日本の経済は活性化していくのです。
テレワークからのこれからを、現実をとらえながら、描いてみました