事業承継のスタートは大事な人に相談することから。
後継者不在で、会社の将来が不安。
でも、手をこまねいていたら、いたずらに時間が過ぎていき、不安が増幅していくだけ--これではいけませんね。
こう考えてみませんか?
5年後に廃業の危機が迫る(2025年問題)・・・ということは、逆に、今まで手をこまねいていた事業承継をやらざるを得ないということです。
廃業になるかもしれないという不安を払拭する、千載一遇のチャンスと捉えたらどうでしょうか?
5年後って、今から動かなくては、という納期ではありませんか?
割と短期間の、「今でしょ!」なのです。
10年だったら、まだ先だからいいや・・・先延ばしにしてしまいがちです。
私も、55歳で事業承継を終えたいと意思決定し、動き出したのが50歳の頃ですから、「5年」というのは、スタートするにはいい期間ではないかと思います。
事業承継を考える段階では、会社を売却しようと考える人は、まだ少ないかもしれません。
私もそうでした。
後継者候補として育成していた5人の社員が会社を去り、息子に一時的にでも心痛を与えてしまい、どん底の状態にあっても、会社を売ることは視野に入っていませんでした。
選択肢の一つとして頭をよぎる程度のことはありましたが、売却に関しては色眼鏡で見ていたこともあり、その案は早々に引っ込めていました。
さて、中小企業の社長であるあなたなら、まず何から始めますか?
まずは、大事な人、信頼できる人に相談してみることです。
うーん、でも、これがなかなかできないんですよね。
社長の経験が長いと、周りの相談に乗ることはできても、こちらから相談を持ちかけることは、なかなかありません。
家族も、社員も、地域も、自分あっての存在・・・社長はそう考えがちです。
良くも悪くも、プライドがブレーキをかけてしまうのです。
でも、考えてみてください。後継者がいなければ会社はじり貧になっていくのです。その納期が仮に5年なら、周りの意見を聞くことぐらいできるはずです。
・家族
・ベテラン社員
・顧問税理士
・同業の社長
・懇意な取引先
・気の置けない親友
そんな大事な人、信頼できる人に、
「水臭い。あの時なぜ相談してくれなかったんだ!」
言わせないようにしましょう。
あなたの周辺に味方を作っておくべきです。
私の場合、この相談者との話の中から、会社を売却する道筋ができたのです。
あなたが大事に思う人、信頼する人は、同じくあなたを大事に思い、信頼しているはずです。
中小企業の社長の4割が、後継者問題で「相談する相手がいない」
前述したように、社長を長く経験すると、相談することに慣れていないことがほとんどです。税理士や社労士などの専門家に相談することはありますが、人生の一大事に遭遇した時に、意外に自分のプライドを外して相談できる相手はいないものです。
私は、バブルが弾けた1992年、相談する相手は両親と妻しかいませんでした。
会社を創って3年。
倒産の危機に瀕した時、相談する相手を外に求めることはできなかったのです。
・両親とは、半年間で会社を上向かせることができなければサラリ-マンに戻って借金を返すという約束をしました。
・妻には、資金がマイナスにならないように、そばで経理業務をしてもらいました。
おかげさまで、半年で業績は上向きになり、1年でトントン、2年で単年黒字、5年で銀行の借金を返済することができました。
最悪の状態の時、家族は最大の味方になってくれることを経験したのです。
社長仲間は経営の悩みを共有できる存在
会社が好転し出した時、私は言葉では説明しづらい寂寥感に押しつぶされそうになりました。
会社の危機を脱した脱力感からでしょうか、腹を割って話し合える仲間がそばにいないことに気づいたのです。
・日頃の悩みを社歴の浅い社員には打ち明けることはできません。
・利害関係のないサラリーマンの友人には、経営の悩みをぶつけてもピンとこないでしょう。
そんな時、尊敬する名古屋の経営者に紹介され、公益社団法人名古屋中法人会に入会することになりました。
そこは、経営者が集まって学ぶ場、名古屋市中区という地域に貢献する事業を一緒に行う場でした。
あれから20年以上経っていますが、普段から悩みを打ち明けられる経営者仲間が、たくさんできました。
仲間との関係が、会社売却を後押しした
社歴を重ねると、社員もベテランになっていきます。同業の社長と交流する機会も増えます。仕入先との関係も強化されます。
50歳になり、3年かけた後継者育成に失敗した時、私は何人かの仲間に相談を持ちかけてみました。
・社長仲間
・長年ライバルでもあり、同志でもある同業の社長仲間
・いつも心配してくれていた仕入先の経営渉外スタッフ
・信頼できるベテラン社員
仲間と会話する中で、私は会社を売却することが、自分にとっても、周りにとっても一番幸せな道であることを発見したのです。
専門家に相談するのもいいですが、専門家にお願いする時期はそのうち来ます。
家族や仲間、ベテラン社員など、大事な人に相談を持ちかける方が先でしょう。
では、どんな相談を持ちかけるのがいいでしょうか?
「会社を存続させるにはどうしたらいいと思う?」
その一言です。
会社の売却と矛盾するようですが、実は逆なのです。
続きはコチラから↓