転職者数減。飲食店から情報・通信会社への転職は可能か?
転職者の数が減っています。
2019年に351万人転職。過去5年間で20%増えている人数です。
これに対し、2020年1~9月は、前年同時期比6,8%減っているのです。
これは、明らかにコロナ禍の影響と言えます。
求人倍率(一人の転職希望者に何社がオファーするか)を見ると、一目瞭然です。
テレワークなどの働き方改革によって、情報・通信業界が活況の中にあり、人材不足で困っています。
求人倍率は4,89倍。一人を約5社が奪い合う状況になっているのです。
一方、外出自粛により、飲食業界が不況の中にあり、人材が余剰になっています。
求人倍率は、0,49倍。一人に約0,5社がオファー、つまり、1社が二人の中から一人を選ぶことのできる状況になっているのです。
この需給バランスを考え、たとえば、飲食業界から情報・通信業界にうまく雇用移動ができれば、と考えてみます。
でも、現実はそううまくいかないものです。
次のデータが、それを顕著に表しています。
4~10月、情報・通信業界への新規就業者は、転職者も含めて74万人。
この中で、飲食・宿泊業や娯楽・サービスからの転職者数は4%。
ごく少ない雇用移動です。
なぜ、そうなると思いますか?
2008年リーマン・ショック。雇用移動はある程度は、成功。
もちろん本人が希望しないということもあるでしょうが、希望する人間にとっては、高いハードルが立ちはだかっているのです。
それは、「仕事上のスキル」なのです。
情報・通信業界への転職は、他と違い、特にスキルが問われます。
未経験者を採用して教育する会社もありますが、業界としては成長スピードが要求されるため、キャリアを問う会社が圧倒的に多いのが現実です。
2008年のリーマン・ショックの時は、製造・金融業界が不況に陥り、余剰人材が発生しました。
当時、両業界から流通・サービス業界への雇用移動は、ある程度うまくいきました。
国・学校・企業は時間がかかる。まずは自ら基礎知識の習得を。
さて、この度のスキルを伴う雇用移動は、どんな手を打つと、うまくいくでしょうか?
ひとつは、国が転職希望者に対して、職業訓練の機会を最大限与えるということです。
でも、現実にはそうなっていません。
日本のGDPにおける職業訓練の予算は、わずか0,01%。何と、ドイツやフランスの10分の1の予算にすぎません。
ひとつは、義務教育期間に、学生に対して情報・通信の基礎知識の習得を促すことです。
ひとつは、企業側が未経験者を採用し、国がスキル習得の支援金を用意することです。
でも、上記3つに関しては機能するまで時間がかかってしまいます。
今の時点での最善策は、転職希望者本人がスキルを身につけることです。
未経験者の求人倍率は4,89倍よりも高いと推測されます。
スキルを求められる業界への転職は、業界研究から始め、基礎知識の習得をしておくことが求められます。
情報・通信の知識は、どの業界で仕事をするにしても、起業するにしても、重宝される知識と言えます。
将来活かせる知識のひとつとして、基礎の習得をしておくことは意味があることではないでしょうか。
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