チャレンジングな約束をしないと、企業は衰退の道をたどる

15years-party

起業して15年経ったとき、私は大事な関係者を招いてパーティーを開きました。その時のお話です。

約束を守れなかったら、会社は存続できない?

「会社が15年続いてきた理由は、みなさん、何だと思いますか?」

長年おつき合いをしてきた経営コンサルタントのM氏が、祝辞の中で、そう社員に問いかけてくれました。

「・・・社長が約束を守る人だからです」

M氏は、そう答えてくれました。

とても嬉しかったです。

現実的には、約束をして守れなかったこともあります。
「できます!」
そう宣言して、お客様の要望に応えられなかったことは確かにあります。

その時は叱られましたが、次のチャンスをいただき、できるまでチャレンジしたものです。

そんな私を見てきて、M氏は、経営コンサルタントの視点で評価してくれたのでしょう。しかも、15周年の式典の場、社員の前で・・・。

企業の平均寿命、知っていますか?

「できない約束はしない」と言う人がいます。
私の場合、それは違います。

「(できないかもしれないが)挑戦させてください!」という宣言も約束の範疇に入る、そう思っています。

そうでもしないと、中小企業の成長はストップし、生き残っていけないからです。

おかげさまで、会社を売却するまでの25年間、私はなんとか会社を存続させることができました。

倒産した企業の平均寿命は23,5年と言われています。
それを乗り越え、なおかつ、売却後に会社の資産は生き残っているのは有り難いことです。

チャレンジを忘れた中小企業は衰退の一途をたどるものです。
だから、チャレンジングな約束はし続けるべきなのです。

10周年はやらず、15周年でお祝い事をした、たったひとつの理由

ちなみに、私は、10周年は、ひとりで馴染みのスナックで自分に乾杯し、自分に祝いの歌をプレゼントしました。

そして、その5年後、来賓も招き、しっかり社内外に向けて、周年のお披露目をしたのです。

なぜ、そうしたのか——。

ある先輩社長に、こう言われ、納得したからです。

「10周年をみんなで祝った後に衰退した会社は多い。よく10年やってきたなあって、気が緩むからだ。あと5年、つまり15年経って初めて、会社はその後も存続するという証になるんだよ。お祝いは、その時でいい」

その後、私は経営者を10年続け、次の経営者にバトンタッチすることができました。

経営者を25年続けること。そのチャレンジングな目標が自分自身への約束でしたから、それを果たすことができたことは、とても喜ばしいことです。

支えてくれた社内外の人たち、家族、そして自分に感謝です。