シロノワールで有名なコメダ珈琲とは?
私の住んでいる名古屋に本社を置く「コメダ珈琲」、ご存知ですか?
全国に850店以上の店舗を展開する、全国的に有名な喫茶チェーンです。
木調の内装で、席をしっかり間仕切りした、ゆったりと過ごせるお店です。
今回、コメダ珈琲を取り上げさせていただいたのは、あなたが起業する場合、こんなコンセプトを知っておくと役に立つという趣旨からです。
このコメダ珈琲、コーヒー好きのあなたなら、一度は行ったかもしれませんね。
コメダ珈琲でいちばん有名なメニューは何かご存知ですか?
・・・「シロノワール」という商品です。
直径およそ16㎝の温かいデニッシュパンの上に、ソフトクリームを絞り出し、サクランボをのせたデザートで、シロップをかけて食べます。
【シロノワールは、ソフトクリームの白(シロ)と、黒っぽいデニッシュの黒(フランス語でノワール)を合成した商品名】
私は甘いものはあまり食べない方ですが、食べてみると、人気の程が窺い知れます。
ところで、コメダ珈琲が、まだこじんまりと展開していた頃のこと。
朝早くの常連客が多く、ずっと長居をしている姿を見て、私は当初、「ここは儲からないのでは・・・」と心配していたものです。
その当時は、失礼ながら、まさか日本全国でも有数のチェーン店になるとは思いもしませんでした。
でも、このゆったりと過ごせる店舗とコーヒーの味、パンやシロノワールなどの人気商品、気さくな接客・・・これが魅力で、コメダ珈琲は全国区に躍り出たのです。
「チェーン店でありながら個店主義」とは?
コメダ珈琲の直営店とFC店のシェア、どちらが大きいでしょうか?
・・・FC店です。
しかも、FC店のシェアは97%にも上ります。
そして、今年のコロナの影響で、昨対比50%の時もありましたが、現在は100%業績を戻しています。
飲食業界が全体に不振の中、好業績の秘密はどこにあるのでしょうか?
その答えは、2013年にコメダ珈琲の社長に就任した臼井氏が明かしています。
【チェーン店でありながら個店主義】
この一言に尽きるようです。
臼井氏が社長に就任してから驚いたことがあるそうです。
それは、業績を良くしようと全店一律キャンペーンを張ろうと、FC各店を訪れた時のこと。
複数の店舗のオーナーから反対を受けたのです。
銀行への就職を皮切りに、ナイキ、マクドナルドで業績を伸ばし、2008年にはセガの社長も経験した彼にとって、業績を伸ばすことに反対する人がいること、そのものに驚いたのです。
ただ、あるFCオーナーのひと言、目が覚めたと言います。
「社長、小さな改革、大きな成果ですよ」
臼井氏は、こう腹落ちしたと述懐しています。
「オーナー一人ひとりは独立している。お店を伸ばすのは自分の力、それを支援するのが本社・本部の仕事なんだ」と・・・。
その時、基本のフレームワークは一緒だが、各店それぞれが業績を伸ばすためにオリジナルの工夫をしていることに臼井氏は気づいたそうです。
コメダ珈琲の魅力と強みは、オーナーの独立精神によってお店を成長させていること。
それが【コメダイムズ】ともいうべきものだということに気がついたのです。
「オーナー集団だからこそ成長できた」のはどうして?
臼井氏は、本部でできる小さな改革のために、「コメダテストキッチン」を作りました。
商品開発で、お店をバックアップしていこうという狙いです。
・そこから生まれたヒット商品のひとつは、「カツカリーパン」。
新宿中村屋とカレーの共同開発を行い、それが消費者に受け入れられたのです。
今では全国メニューに昇格しています。
・シロノワールのアレンジメニューも複数誕生し、好評です。
臼井社長の商品開発を初めとする本部の「小さな改革」が、オーナー店の「大きな成果」をもたらすようになり、本社・本部とFC店の信頼関係はますます強くなり、飲食業界の中にあって、成長株の会社として注目されているのです。
コメダ珈琲がチェーン店でありながら個店主義という理由、お分かりいただけましたでしょうか?
臼井氏は、カンブリア宮殿の中で、
「コメダイムズを創るのは大変じゃありませんでしたか?」という質問に、
「サラリーマン集団だったら無理かもしれない。オーナー集団だからできたんだ」と答えていました。
コメダイムズから学べるものとは?
さて、コメダ珈琲の「コメダイムズ」から学べるコンセプトは何でしょうか?
・数や量で勝負する会社から、個店として魅力づくりができている会社に人が集まる時代に変わってきた。
・起業すれば、隠れていた独立精神が発揮されるものだ。
・オーナーとして、小さな改革の連続で、大きな成果につなげる道筋をつくれる。
この3つではないでしょうか。
私が長年おつき合いさせていただいている飲食チェーン店も、個店主義のもと、店長主導の体制に切り替えています。
また、ネットビジネスの普及によって、ひとりで副業、ひとりで起業してオンラインビジネスを始める人が後を絶ちません。
コロナ禍によって、時代の変化は明確になり、それが新常態(ニューノーマル)化しているのです。
「個の時代」、「オーナーシップ」、「改革・変革」。
このコンセプトは、あなたが起業する上でベースになるものではないでしょうか。
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