起業するなら、サラリーマンも経営者も○○で仕事をしてはいけない

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サラリーマン時代の役職は何の役にも立たない

私は起業する前、営業所の所長、最後は求人誌の副編集長の役職をもって仕事をしていました。

起業後、その役職経験がモノを言うと錯覚し、それをもとに、都銀から融資を引き出そうとしました。

私は、サラリーマン時代の役職・経歴・実績、3年分の経営計画を持っていきましたが、担当者はそれを眺めた後、足を組んで、ていねいな言葉でこう言ってきました。

「実績のない会社に融資は難しいと思いませんか?」
質問口調で断りを入れてきたのです。

慇懃無礼とはこのことか、とその時は無性に腹が立ちました。
そして、自分の力のなさを思い知らされたのです。

役職経験は何の役にも立たなかったのです。

(実績を作って、必ず頭を下げさせてやるぞ)
その思いを胸に、私は銀行を後にしました。

その銀行員の対応がバネになったのか、1年後、同銀行から融資を受けることができました。その2年後バブルが弾け、借金が重くのしかかってくることになるとは知らずに。

社長は決して英雄の勲章ではない

ところで、起業したばかりの頃は、私は「社長」と呼ばれることが喜びのひとつでした。

採用した社員から、取引先から、友人から、そう呼ばれると、自分が急に英雄にでもなったような気分を味わっていました。

そして、甘言を弄されると、すぐ提案に乗るような有様でした。

「社長だから、他より安くしておきますよ」
たとえば、事務所の備品をそのひと言で購入し、購入後に他社に聞くと、相場より高かった・・・そんなことが頻発しました。

売上がそんなに上がっていないのに、仕入が高ければ、利益は圧迫されます。

社長は、単なる会社の長であるだけだと、私は徐々に思い知らされることになりました。

見栄を張ると、脇が甘くなるということです。

「上から目線」はタブー。経営者は謙虚であるべき

営業先で会うのは社長ばかりではありません。
課長や部長、まだ役職のない担当者だったりします。

私は当初、時としてサラリーマン時代の自慢話を引き合いに出し、提案というより、上から目線で指導するような態度をとっていました。

さすがに、その場で帰れ!ということにはなりませんでしたが、
「うちでは当分、人の採用は考えていないよ」
と、断られる始末でした。

求人情報誌を開いてみると、他の代理店から広告が掲載されている、ということもありました。(私の会社の主業務は、各社の求人情報を求人誌に掲載して人材採用を支援する代理店業務でした)

ある時、懇意にしていた会社の人事課長に、私の態度が良くないと指摘を受け、やっとのことで原因が判明しました。

目の覚める思いでした。

経営者が謙虚さを忘れたら、会社から顧客は離れていくことを身をもって知りました。

【教訓】

◇サラリーマン時代の役職は何の役にも立ちません
◇社長は英雄ではありません。見栄を張るのは止めましょう
◇自慢話や上から目線はタブーです。経営者は謙虚であるべきです

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