失業者が適職に就く上で、持つべき2つの心構えはコレだ

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自分の好きな名古屋と同じ人口が失業者とは・・・これは大きな社会問題

あなたは、いま日本に失業者が何人いるかご存知ですか?

総務省が5月14日に発表した「労働力調査」によると、2021年1~3月の失業者は214万人いることが分かりました。

現在の労働者数は6649万人ですから、全体の3,2%に当たります。
この数、少ないと思いますか?

私の住む名古屋市の人口は約230万人。
人口数のランキング15位の新潟県は約230万人、16位の長野県は約209万人です。

その数に匹敵しますから、身近な数字に置き換えると、かなり多いと言えるのではないでしょうか?

パーセンテージにしても、最近までの失業率は2%台だったことを考えると、失業者は間違いなく増えているのです。

それでは、どんな失業者が増えているのでしょうか?

「適当な仕事がありそうにない」「希望する種類・内容の仕事がない」

調査の中身を見てみてみましょう。

失業者214万人のうち、その約3割、64万人の人がこう答えています。

「希望する種類・内容の仕事がない」

2019年は2割台だったのに対してです。

また、就職を希望するが、求職活動はしていない人の37%の95万人がこう答えています。

「適当な仕事がありそうにない」

しかも、2021年1~3月までの1年間に働いていない人は前年同期比8万人増え、65万人に達しています。上記の64万人にほぼ呼応していますから、希望する仕事がないと1年間求職活動をし続けている人が、それだけいるということです。

これは、2020年からのコロナ禍の影響による実態であることは明らかです。

何となく就いた仕事が、適職になるケースが案外多いもの

やむを得ず働けない人、しばらく働かなくても生活していける人は別として、「まずは生活のために働くこと」が急務です。

「希望する種類・内容の仕事」ではなくても、「適当な仕事」がなくても、今できる仕事で生活の糧を稼ぐ必要があることは自他ともに認めることでしょう。

そんな分かり切ったことをなぜ、あえてここで取り上げるかというと、何となく就いた仕事が、その後、自分が好んで続ける仕事に変わる人が意外に多いからです。

あなた、あるいはあなたの周りの人たちの中に、そんな人いませんか?
私の周りには結構います。

何となく就いた飲食店の仕事が好きになり、有名な飲食チェーン店の社長になった人がいます。

私自身もそうでした。
サラリーマン時代、編集の仕事で将来起業するぞと思っていたところ、突然の営業部門への異動命令。
「ああ、これで夢破れたり」と思っていたところ、営業の仕事が面白くなり、何と営業の仕事で起業できたのです。

やってみないと分からない、ということです。

周りに聞いてみると、そんな人、結構多いものです。
つまり、「やりたいことが見つからない人」「適当な仕事がありそうにない人」は、まず今できる仕事に就こうということです。

やりたい仕事を、できる仕事に変えるには「スキルを磨くこと」

「とはいっても、やっぱり希望の仕事、自分の思う適職に就きたい」

そう言う人の方が多いでしょう。
当然ですね。自分のやりたいことを持っている人は、それができることが最善だからです。

では、質問です。
「やりたいことが今見つからない理由は何ですか?」

仮に1年間探してもないということは、見つからない理由があるということです。

・雇用ニーズが少ない→例えば、コロナ禍の影響をダイレクトに受けている飲食業や宿泊業
・採用倍率が高い→例えば、医療・福祉業界
・新たなスキルが必要→例えば、ネット系の業界、DX職種

たとえば上記の業界・職種を希望している場合、手をこまねいているなら、転職できる確率は低いでしょう。

それでは、どうすればいいのか?

その最適解は、「スキルを磨きましょう」ということです。
「やりたいけどできない」を、「やりたいことができる」に変えることです。

できるためにどうするか?

学習してスキルを身につけることです。

・飲食業なら、接客技術、調理技術を高めて、顧客を増やすノウハウを持つことです。
・介護業界なら、学習して資格を取ることです。
・ネット、DX業界なら、基本技術をマスターすることです。

もうひとつ。

「副業」で学習したスキルを試すことです。

今は、ランサーズなどクラウドソーシング(ネット上で単発の仕事を請け負う仕組み)で内職や代行サービスを請け負う人が、この1年で急増しています。

コロナ禍で自由な時間が増え、逆に給与が減っている人が、副業として利用しているのです。

副業がうまくいき、これからは起業する人たちが増える可能性がありますね。
戦前までの日本では、個人事業主が圧倒的に多かったわけですから、そういう時代が訪れるのかもしれません。まさに、自活して生きる時代の到来です。

いづれにしても、「スキルを磨くこと」。それが、希望する仕事に就くパスポートです。

会社側の「雇用シェア」、行政側の「スキル向上支援」にも期待

一方、雇用を失いたくない経営者に考えてほしいこと。

それは、「雇用シェア」です。

一部の航空会社や飲食チェーン店が実施しているように、人材不足の業界や会社に自社の社員を出向させ、雇用を守るというのが「雇用シェア」です。

もし、企業側から雇用シェアを持ちかけられたら、あなたはどうしますか?

会社側の配慮、有り難いことですね。。
でも、就く仕事の内容が全く同じということはないでしょう。
出向先で、働きながら新しいスキルを身につけたり磨いたりすることになります。

これは「チャンス」ではないでしょうか。

さらに、政府・行政は、「失業者のスキル学習」に関する予算をもっと厚くすることに配慮してほしいものです。

しかし、起業や政府・行政の支援があったにしても、「適職」であるかどうかの判断は個人にしかできません。その判断をする前に、まずできる仕事から始めるのか、スキルを磨くことから始めるのか、それぞれに対する心構えが問われているのです。

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