高齢者はリーダーの座を降りなくてはいけない理由
突然ですが、日本は世代交代しましょう。
企業の経営者の6割は60代以上。
いくら「人生100年時代」とは言っても、高齢化していることは事実です。
政治家もそうです。
2世3世も多く、しかも高齢化しています。
高齢化の問題点とは何か。
・保守的になって変化を排除しようという力学が働くこと
・判断・決断が遅くなってしまうこと
・将来のことを考えて大胆な行動ができないこと
高齢化によって日本はどうなったか。
・22年前にIT担当大臣が誕生したにもかかわらず、何も進んでいなかったことがコロナ禍で浮き彫りになった
・後継者のいない経営者が全体の3分の2を占め、企業の大量廃業が懸念されている
・過去30年間でサラリーマンの年収が目減りし、物価も上がっていない
日本が早期に復活するために、まず手がけることは世代交代なのです。
リーダーが高齢化していますから、自らがその権力を手放すことはなかなかできないでしょう。
40代を中心とする世代が力を発揮することです。
政治は選挙で、経済を担う企業は若手の事業承継や起業によって。
私が世代交代を決めた、3つの変化ときっかけ
私が世代交代の必要性を強く感じた時のお話を以下、させていただきます。
起業し10年を超えた頃、私の中に、ほぼ同時に3つの変化が訪れました。
(ちなみに、私は企業の人材採用を支援する、求人広告の代理店を経営していました)
①自分の作ったお客様の求人広告の応募状況が悪くなってきたこと
つまり、応募者が減ってきたのです。
時代によって、採用する側の企業と応募する側の人たちの需給バランスは変化していきますから、応募者が減ってきたことだけで一喜一憂したわけではありません。
しかし、長い間この仕事をしてきただけに、原因不明の不安が膨れ上がっていきます。このままでは、お客様に迷惑をかけてしまいます。
そこで、試しではありましたが、入社したての20歳の制作スタッフに原稿を作ってもらいました。荒削りではありますが、まあまあの仕上がりです。
私は、お客様の了解を得て、求人情報誌にその原稿を掲載してみました。
「有り難う。たくさんの応募者から連絡が来たよ。おかげさまで、納得のいく若者が採用できたよ」
お客様に感謝されました。
そして、分かったのです。
企業側は若い世代に来てほしい――それが本音です。
その若者たちに対して、自分の言葉が伝わらなくなってきたというのが原因だったのです。
若者は、時代によって反応する情報が違います。
私は、この経験を通して、若手の制作社員を育成しようと決意しました。
②経営者の世代交代が着々と進行していたこと
私は、起業してから意識的に経営者の方々と接触するようにしてきました。
決裁権があるので、意思決定が速く、自分自身の経営の勉強にもなるからです。
ライバル会社が多い中、経営者とのおつき合いがあれば、他社より優位に立てます。そんな思惑もありました。
ところが、ある時点から、
「今後、息子の専務とやり取りしてほしい」
というような話が次々と舞い込んでくるようになったのです。
当初はその声に応えるべく、次期経営者とのやりとりを繰り返し行いました。
ところが、なぜかしっくりこなかったのです。
ある時、ある次期経営者からこう言われました。
「これからは、若手の担当者に来てもらいたい」
父親である社長とやり取りしてきた私とは、私の方が年上ということもあり、彼にとっては、やりにくかったのです。
最初はショックでしたが、次第に感謝の念に変わっていきました。
もしその言葉がなかったら、私が気づかないうちに、多くのお客様が離れていったかもしれないからです。
(営業社員にお客様を移管していこう)
私は、そう決意しました。
③自分自身が営業の№1であることに虚しさを感じてきたこと
そんな気持ちを抱いていた頃、営業のメンバーと共に、あるお客様を訪問しました。
「この子は良くやってくれて助かるよ」
と、満面の笑みでメンバーを讃えてくれたのです。
その時、何とも言えない嬉しさがこみ上げてきました。
(若い営業社員育№1にしよう)
私がそう決意した瞬間でした。
歴史と共に会社は世代交代していくもの。
私が経験した3つの変化は、そのことを知らせてくれるサインだったのです。
日本は世代交代しましょう。
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