すべての判断ミスは「焦り本能」から。最大の対策はデータ化と分析

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「すぐ決めろ」と急かされると、思考停止状態に

『FACTFULNESS』(ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド著/上杉周作、関美和訳:日経BP社発行)という本があります。

世界中で読まれている本です。

ありがちな思い込みを正し、事実に基づいて世界を正しく見ることを示唆した内容で、とんでもない勘違いを観察し、そこから学んだことをまとめています。

本書の中では、10の本能を紹介してています。
その中で、いちばん自分の判断を鈍らせてしまうのが、10番目の「焦り本能」というもの。

他の9つの本能――分断、ネガティブ、直線、恐怖、過大視、パターン化、宿命、単純化、犯人捜し、のすべてに、この焦り本能の要素が含まれているというのです。

焦り本能とは何か。

それは、「今すぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込みです。

今すぐ決めろとせかされると、批判的に考える力が失われ、拙速に判断し行動してしまうというものです。この焦り本能を抑えるためにはどうするか。

その対処法は、まずは自分の焦りに気づくこと。
そして、データと客観的な分析に基づいて行動すべきと説いています。

ただし、過激な行動は副作用を生みやすいので、地道に一歩一歩進みながら効果を測定した方がいいとしています。

(本書では、感染症の世界的な流行についても言及しており、警鐘を鳴らしています。新型コロナウイルスの発生を予言するような視点に驚きを感じました)

事業承継なら、会社の価値を「客観査定」することから始めよう

これを、事業承継に当てはめてみます。

コロナ問題により、業績が悪化してしまい、このままではそのうち廃業することになってしまうかもしれない・・・そんな焦り本能が顔を覗かせます。

さらに進展し、タダで売れたらしめたものと考え、廃業したら借金を背負ってニッチもサッチもいかないと、焦り本能がさらに増幅していきます。

思考が停止し、判断を誤ってしまうのです。

まずは、会社の価値が金額にしていくらになるか査定してみましょう。

今ある財産と負債、1年後の業績予測、業績を伸ばす手段があるかどうか、データ化してみるのです。会社の将来を客観的に分析してみましょう。

たとえば、顧問税理士など、相棒のプロに協力してもらうといいでしょう。

そうすれば、適正な価格で会社エグジットする可能性を見つけることができ、売却先候補に足元を見られずにすみます。

思い込みではなく、客観的な数字や事実をもとに判断していくことで、焦らずに状況を見据え、判断できるようになるのです。

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