100年続く会社でも後継者がいない。どうする?
後継者のいない社長の行動パターンのひとつに、社長仲間の動きを見て焦り出すというものがあります。
私が会社エグジットしてから、驚いたことがありました。
(※会社エグジット→後継者のいない中小企業の社長が、会社を第三者に売却することによって、自分の次の人生、そして家族・社員・取引先などの利害関係者の幸せを創造し、大廃業時代が来るといわれている日本経済を救う愛ある行為)
名古屋の中小企業の社長が集まって経営を学ぶ会で、講演させていただいた時のこと。
テーマは、「事業承継を成功させるコツ」。
64名の中小企業の社長クラス(50~70代)が対象でしたが、講演後の交流会で、たくさんの方々から質問を受け、その中の3人が会社エグジットを考えていたことに驚きました。
名古屋は100年以上続く企業が多く、身内(親族、幹部社員)を中心に、代々脈々と事業承継してきています。
ところが、時代の波には抗えず、ここにきて、老舗企業も含めて後継者のいない会社が急増しているのです。
(愛知県の「後継者候補が不在」と答えた企業は68%。全国平均を3ポイント上回る/帝国データバンク名古屋支店:2020年の1万6000社調査)
社長卒業後の人生が決まっていれば、決断は速く、ロジカル
後日、会社エグジットを考えていた3人の社長から、それぞれ詳細を聞いてみました。
共通していることが2つありました。
・会社は存続させること。
・会社を事業承継した後にやりたいこと、やるべきことがはっきりしていること
そして、この2つを満足させる手段が、会社を第三者に売却することだったのです。
実はこの2番目に注目してほしいのです。
社長自身が次にやることを決めている。
↓
会社には後継者がいない。
↓
代々続く会社を存続するためには、第三者に承継する必要がある。
次の事業に着手するにしても、社会貢献するにしても、趣味に生きるにしても、「次の人生」をプランニングしている人間の決断は速く、感情に流されず、ロジカルなのです。
私が3人にアドバイスしたのは、ひとつだけ。
会社を売って終わりじゃない。しっかりエグジットしてから社長を卒業しましょうということだけでした。
社長仲間に聞いてみよう。「会社エグジット」を考えている人がそばにいる
たとえば、後継者のいないあなたが、まだ意思決定していないとします。
周りの社長仲間が会社エグジットしている事実を耳にすると、どうするでしょうか?
詳しい話を聞いて、自分はどう対応したらいいか、参考にするのではないでしょうか。
そして、うまくいったのであれば、会社エグジットはあなたにとって、事業承継の大きな選択肢として浮上するのではないでしょうか。
ここで私からのアドバイスが2つあります。
・焦って、会社の売却を一挙に進めようとすることは止めましょう。
・まずは、会社エグジット後にやりたいこと、やるべきことを事前に決めておきましょう。
あなたの周りにも、会社エグジットを成功させた社長がそばにいる可能性があります。
もしそうなら、早速話を聞いてみましょう。
情報の秘匿性が高いため、なかなか話は聞けないかもしれませんが、ごく親しい仲間なら話してくれるのではないでしょうか。(ただし、注意事項がひとつ。その社長の情報は、一切口外しないようにしましょう)
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