変化は前に進めというサイン。チャンスを逃してはいけない

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起業して10年で感じた3つの大きな変化

各企業の人材採用を行うための求人広告の代理店を起業して10年。
その頃のお話です。

私にとって、ほぼ同時に3つの変化が訪れました。

①自分の作った、お客様の求人広告の効果が薄れてきたこと

つまり、応募者が減ってきたのです。

時代によって、採用する側の企業と応募する側の人たちの需給バランスは変化していきますから、応募者が減ってきたことだけで一喜一憂したわけではありません。

(なぜなんだろう・・・)

長い間、この仕事をしてきただけに、原因不明の不安が膨れ上がっていきます。
このままでは、お客様に迷惑をかけてしまいます。

そこで、試しではありましたが、入社したての20歳の制作スタッフに原稿を作ってもらうことにしました。

見てみると、荒削りではありますが、まあまあの仕上がりです。
私は、お客様の了解を得て、求人情報誌に、その原稿を掲載してみました。

「有り難う。たくさんの人から応募があったよ。おかげさまで、納得のいく若者が採用できたよ」

お客様からの感謝の言葉です。
そして、分かったのです。

企業側は、できることなら、若い世代に来てほしい――それが本音です。
その若者たちに対して、極論、自分の言葉が伝わらなくなってきたというのが原因だったのです。

若者は、時代によって反応する言葉やビジュアルが違うものです。

(これからは、若い制作社員を育成しよう)
そう、決意しました。

②経営者の世代交代が着々と進行していたこと

私は、意識的に経営者の方々とお付き合い頂くようにしてきました。
決裁権があるので、意思決定が速く、自分自身の経営の勉強にもなります。

ライバルの会社が多い中、経営者とのお付き合いがあれば、他社の優位に立てます。そんな思惑もありました。

ところが、ある時点から、
「今後、息子の専務とやり取りしてほしい」
というような話が次々と舞い込んでくるようになったのです。

当初はその声に応えるべく、経営予定者とのやりとりを繰り返し行いました。
でも、なぜかしっくりこないのです。

ある時、思い余ってか、ある経営者の息子さんから、こう言われました。

「これからのやり取りは、若い社員でいいよ」

父親である社長とやり取りしてきた私とは、私の方が年上ということもあり、彼にとっては、やりにくかったのです。

最初はショックでしたが、時を置かず、感謝の念に変わっていきました。
もしその言葉がなかったら、私が気づかないうちに、多くのお客様が離れていったかもしれないからです。

(営業社員にお客様を引き継いでいこう)
そう、決意しました。

③№1を目指すことに虚しさを感じてきたこと

そんな気持ちでいた時、営業メンバーと共に、あるお客様を訪問しました。

「この子は良くやってくれるね」
と、満面の笑みでメンバーを讃えてくれたのです。

何とも言えない嬉しさがこみ上げてきました。

(若い営業社員を育成しよう)
そう、決意しました。

歴史と共に組織は変えていくものである。
そういう自覚が生まれた瞬間でした。

3つの変化は、そのことを知らせてくれるサインだったのです。

☆中小企業の多くは、昭和時代の経営手法を変えていない!?

さて、2022年の社長の平均年齢は63歳。
その中で70代の社長は3割以上。
しかも、赤字企業がいちばん多い年代は70代です。

昭和から続く経営手法は時代とともに通用しなくなってきているということです。しかも長期の経営ビジョンをなかなか示すことができません。

身内、第三者に関わらず、事業承継は急務です。

2025年には3分の1の中小企業が廃業する可能性があると経産省も警告を鳴らしています。

企業のいちばんの変化は、社長自身が早期に事業承継することです。
残された時間は、そう長くありません。

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