●ギグワーカー、全ビジネスマンの1割、700万人。
「ギグワーク」という言葉、ご存じですか?
ひと言で言うと、「インターネットを通じて単発の仕事を個人で請け負う働き方」です。
ギグワークを行う人を、「ギグワーカー」と言います。
語源は、ミュージシャンがその場限りで行う演奏「gig(ギグ)」から派生した言葉です。
もう少し掘り下げると――。
単発で仕事を外部委託したい企業と、それを請け負いたい個人を、専用のサイト上で仲介する「クラウドソーシング」がマッチングする仕組みです。
・クラウドワークス
・ココナラ
・ランサーズ
・うるる
この大手4社の累計登録者数は、2020年5月末時点で、昨年対比で15%増え、約700万人に急増。全就業者の1割に達しています。
●コロナ問題で、「副業感覚」タイプが急増。
フリーランスは、ひとつのプロジェクトを契約期間内に完成させるという契約のスタイルですが、ギグワーカーは違います。
ひとつのプロジェクトを請け負うというような責任の大きな契約ではなく、部分的な仕事を、空いた時間、好きなタイミングで仕事ができるという、お手軽な働き方をするのがギグワーカーです。
コロナ発生前は、副業的に働くギグワーカーは3割でしたが、コロナ後の割合は6~7割に増えています。
収入減を補う必要があったというのが、いちばん大きな理由でしょう。
●「ウーバーイーツ」の配達員もギグワーカー
アメリカのウーバーテクノロジーの配車アプリを通じて仕事を請け負うフリーのドライバーがギグワーカーの代表格です。
今回、コロナ問題で外出自粛が続き、飲食店のデリバリーを、ウーバーイーツを通じて依頼する人が増えました。
あなたも、利用しませんでしたか?
私は、先月初めてオーダーしてみました。
ほぼ時間通りに運んでくれ、頼んだ商品が全く冷めていなかったことに驚きました。
最近は、前述した大手4社を始めとする、起業とギグワーカーをマッチングするプラットフォームが次々に立ち上がり、仕事の種類も広がりを見せています。
プログラミングなどのIT関連業務や経理や法務と言った専門的なスキルを要する仕事も増えてきているようです。
最近、ある地方の企業が、経営の相談に乗ってくれるギグワーカーを募集しました。
仕事の種類にも、仕事の難易度にも幅が広がってきているのです。
●ギグワークを、副業と割り切ろう。
この急増しているギグワークには、どんなメリットがあるのでしょうか?
・空き時間、好きなタイミングで、気軽に仕事ができる。
・副業感覚で収入を増やすことができる。
・自分の適性、スキルを活かせる。
・いつでも仕事ができ、いつでも仕事を止められる。
・無理な仕事量を請け負わなくていい。
・会社に縛られず、ゆるく仕事ができる。
なかなか都合のいい働き方に見えます。
実際、急増しているのですから、メリットを享受している人は多いでしょう。
一方、デメリットもあります。
・社員と違って、昇給・賞与の保障がない。
・仕事中に事故があっても、保険適用されないケースが多い。
・雇用契約かフリーランス契約か明確ではないため、立場が弱い。
メリットからデメリットを引き算したら、本業ではなく、副業にした方が安全と言えます。
●ギグワークを起業の訓練と考えよう。
コロナ問題によって、廃業する会社、失業者が予想以上に増えているようです。
そんな中、ギグワークする人が増えているのは頷けますね。
外出自粛で時間ができたから、収入減を補うため等の理由が多いようです。
さて、質問です。
「ギグワークの先に何があるか、イメージしてみたことはありますか?」
もちろん、本業一本に戻るなら、ギグワークの性格上、止めればいいだけです。
もちろん、収入を補うために、ずっと続けることになるかもしれません。
どちらにしても、せっかくギグワークをするなら、前向きに、こう考えたらいかがでしょうか?
――ギグワークは、起業のための訓練――
これからの経済がどうなるか分かりません。未知数です。
本業の会社がどうなるか分かりません。
そう考えてみるのです。
そうすると、こんな「備え」の考え方に至ります。
☆ギグワークで磨いた能力と経験を次に活かす。
☆ギグワークを個人経営とみなし、
・お金の管理
・自己管理
・顧客管理
・経営管理
を学習するのです。
☆自活できる自信をつける。
いかがですか?
「備え」ができれば、こんな道が拓けます。
・起業への道
・転職への道。
・今の会社でステップアップする道。
自活の備えができれば、あなたの明日は安心。
ギグワークを起業の訓練と位置づけたらいかがでしょうか。