天災、温暖化・・・最悪の未来を想定すれば、幸せが見える!?

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人智を越えてやってくる天災にどう備えるか?

『2040年の未来予測』(成毛眞氏著:日経BP刊)、3回目のご紹介です。

今回はchapter4の「天災は必ず起こる」の中で気になったデータについて。

気になったところが2箇所。

ひとつは、「日本の人口は2008年の1億2808万人をピークに減少に転じているのに、本来、水害の危険で田畑にもならなかったような場所に住む人は増え続けている」という箇所。

実に、その場所には約3540万人が住んでいると言います。日本人の3~4人にひとりが住んでいることになります。危険ですね。

天災は人智を超えたところにあります。

もちろん、なるべく天災が起こらないと考えられるところに住むという方法もあります。でも、その時に、家にいるとは限りません。危険地帯を歩いているかもしれません。
そもそも日本自体が台風や地震の大国でもあります。予防するにしても、防ぎようのない場合もありますね。

もうひとつは、「2050年は、アジアでも水不足が起こる。10億人が水不足に陥り、世界中の都市部で利用できる水が今の3分の2まで落ち込む」という箇所。

原因は気候変動によるものですが、人口問題もそれに輪をかけているようです。
2020年には世界人口は78億人。2040年には90億人になると予測されているからです。

過去に、石油の利権争いで戦争が起こったように、これからは水の利権争いで戦争が起こるかもしれません。これも危険ですね。

CO2削減などの環境問題への取り組みはもちろん必要ですが、この水不足の問題も、今や人知を超えたところにあります。

これに対して、成毛氏はこうアドバイスしています。

「最悪の事態を想定しながら未来を描いておけば、あなたの人生はそれよりも悪くなることはない」
「これからの時代をどう生き残るのかをまず考えるべきだ。どうすれば幸せな人生を送れるかに全エネルギーを注ぐのをオススメする」

大豪雨の雨量が20年で2倍。祈るほかに手はない?

ここで、私の体験をストーリー仕立てで書かせていただきます。

・・・2000年9月11日、東海大豪雨の時のこと。

徹夜気味に仕事をしていたせいか、新川が決壊したことは、明くる日の早朝に知ることとなった。

愛知県の新川沿いに住んでいた私は、父と共同名義で建てた一戸建に住み、その時、私の妻子は家で寝ているはずだった。
母は3年前、父は2年前、既に他界していた。

心配になった私は、なかなか到着しないタクシーを待ちながら、何度も何度も携帯で連絡を取ろうとしたが・・・通じなかった。

庄内川の橋は見る影もなく、渡ることはできなかった。
絶望に近い気持ちを奮い立たせ、私は土手沿いに、豊公橋に向かうことにした。

(豊公橋もダメかもしれない)

途中、名古屋第一赤十字病院を横目に、タクシーが通り過ぎようとした時、私は合掌して祈った。

「母さん、頼む!」

そこは、母が息を引き取った病院だった。

豊公橋はぎりぎりの状態で通り抜けることができそうだった。
ただし、橋の向こう側が見えない。向こう側には家族がいる。
ひょっとしたら、水没しているかもしれない。

橋の向こう側は、いつもの風景のままだった。
後で聞いた話だが、あと少し雨が降り続けたら、被災していたという。

亡くなった母がきっと守ってくれたに違いない・・・。

これは、私が今から21年前に経験した「東海大豪雨」です。

この時、9月11日の名古屋市の降水量は428ミリ。
それに比べ、2019の大豪雨による最大の降水量は、1000ミリを超えています。
約20年で2倍以上の降水量です。

天災は人智を越えますが、その越える量が時と共にどんどん増えていることを、私たちは自覚して生きていく必要があります。

『2040年の未来予測』に触れ、これからの時代をどう生きるかを考えるきっかけにしてみてもいいのではないでしょうか。

ご参考までに。