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職人のためのお店から広い顧客層のお店に変貌。
株式会社ワークマン、ご存知ですか?
現場作業や工場作業向けの作業服・関連用品の専門店として、現在全国に902店舗を擁する一大グループに成長している会社です。
国内では、ユニクロよりも店舗数の多いのは驚きです。
「ワークマン」の売りは機能性と価格の安さ。
最初は職人が主に利用する店舗でしたが、年々成長するにつれ、一般の外出着として広い層にファンができていきました。
ワークマンは、そこに着目し、一般の消費者向けに、「ワークマンプラス」という新しい業態の店舗を設け、ヒットさせました。
ところが、足元を見てみると、メインの利用客である職人にとって、一般客や女性客が増えたことによって、徐々に敷居の高いお店になっていったようです。
そこで、ワークマンは「ワークマン女子」という新業態の店舗を設けることにしたのです。
そうすれば、職人以外の一般客が、ワークマンプラスやワークマン女子を利用するようになり、メイン母体のワークマンは、職人のために利用しやすい店舗に原点回帰できるからです。
「ワークマン女子」のプロジェクトリーダーに、若手女性社員を抜擢。
そのワークマン女子開設のプロジェクトリーダーを任されたのが若手女性社員のIさんでした。
彼女は、入社当時、ワークマンで働いていることを知人に知られたくなかったようです。
分かる様な気がします・・・。
そんな中、仕事能力と意欲を買われてリーダーになったIさんが手がけたワークマン女子の1店舗目がオープンしました。
当初狙ったターゲットは、10~20代の女子。
行列ができるほど好評を博したのですが、フタを開けてみると、来店者のメインは40~50代の女性でした。
Iさんは悩みました。
会社側としては、ワークマン女子を400店舗までに育て上げたいという構想があります。
何としてでも、メインターゲットに向けて店舗展開したい・・・そんな思いを持ちながら悩む日々を送っていたのです。
東京ガールズコレクション2021で、若手女子の来店が圧倒的に増え出した。
そして、Iさんにチャンスが舞い込んできました。
「第32回マイナビ東京ガールズコレクション2021」に参加を打診されたのです。
コロナ禍もあり、ネット上でのショーになりますが、観客の大半は10~20代の女子です。
これはいける!・・・Iさんはそう思いました。
悩んだ末のステージコンセプトは、「ワークマン女子Tough&Cawaii」。
職人のカッコよさと、アウトドア女子のかわいさを、7分間のショーの中で、ふんだんにアピールすることに決めたのです。
当日、ショーが始まり、ワークマンの番が回ってきました・・・。
カッコよさとかわいさの2部構成でショーは展開されていきました。
特にモデルの土屋アンナさんのファッションに人一倍、注目が集まったようです。
ワンショルダーのトップスに、ニッカーボッカー、ピンヒールサンダル、コルセット風のベルト、レザーグローブ、ハット、そして何と、レザーのムチ・・・オールブラックのコーディネイトでランウエーを歩く姿は、10~20代の女子を虜にしたようです。
2店舗目がオープン。
店先に並んだ人たちは、明らかに10~20代が中心でした。
土屋アンナさんが着こなしたニッカーボッカーを試着する女性もたくさんいたようです。
顧客と社員、両方への思いが会社成長の原点。
ワークマンの成長の理由は、次の2つの軸がぶれていないことに尽きるのではないでしょうか。
・想定した顧客層にとっての商品開発と居心地の良い店づくりを追求し続けている点。
・若手社員にチャンスを与え、成長の場としている点。
ちなみに、ワークマン成長の裏には、「四天王」と呼ばれる商品開発のプロ社員の存在があるそうです。