「プラス1営業」で目標がクリアできる、たったひとつの理由

plus-1

サラリーマン時代のことです。

編集部門で、マネジャー一歩手前のところにいた時のことです。
出世のイメージは1年以内でした。

ところが、急きょ営業部門に異動になり、未経験からマネジャーになるためには、高い壁をクリアしなければいけませんでした。
それは、№1の営業成績を残すこと。
サイコロで言うと、振出しに戻ったようなものでした。

目的意識があって納期が決まれば、「2倍」はクリアできる?

私は27歳で初めて営業の仕事に携わることになりました。
27歳といえば、その当時のリクルートでは、営業はベテランクラス(名古屋ではエルダークラス)でした。

営業の新人ながら、営業所のリーダーとして赴任。
しかもエルダークラスの中で、成績にしのぎを削る環境に置かれたのです。

当然、手取り足取り教えてくれる人はいません。
立場上、むしろ指導側に立っているわけですから、ムリですね。

私は、短時間で考えた挙句、「2×3作戦」を実行することにしました。

・新人より2倍、電話がけ。
・中堅より2倍、企画書作成。
・ベテランの2倍、社長訪問。

ただ、それだけ。
実にシンプルな作戦でした。

それでも、最初は伸び悩みました。

編集時代にお世話になった印刷会社のT部長から、
「君は、どのベテラン営業よりも、読者を知っている」と励まされ、
その日を境に、ナンバー1への道を、半年間で駆け上がることができたのです。

「2倍やれ!」だけでは、メンバーは動かない

今度は、営業所長としてメンバーを指導できる立場になった時、この「2倍作戦」を指導法にすることにしました

ところが、うまくいきません。
仕事を投げ出すメンバーがいたり、しばらく出社して来ないメンバーもいました。業績はちっとも上向きません。

私はよくよく考えてみました。

100%の仕事の物量しか実行しなければ、結局は成績が伸びない。
しかし、「2倍やれ」と言われても、メンバーにとっては相当の目的意識をもって、しかも時間を切り詰める覚悟がなければ、できるものではありません。

私は、その時期、1年でマネージャーになるという目的意識があったからこそできた「2倍」だったのです。
普通の状況の自分だったら、それはムリだったでしょう。

「あと1件!」で、なぜ業績が上がるのか?

考えたあげく、私はメンバーに「プラス1」を要求するようにしました。

100件電話して帰ろうとすると、
「あと1件、電話してみよう!」
と鼓舞しました。

これならできます。
そして、「この1件しかないと思ってやってみよう」と激励しました。

不思議なものです。
意外とアポイントは取れるのです。

それに気づいたメンバーは、自ら「プラス1」を実行するようになりました。
達成者が続出し、達成率110%、120%という強者も現れました。

なぜ「プラス1」の力が、幸運を引き寄せるのか——。

100実行して、成果がなければ、
「よし、最後のプラス1で実現するぞ!」
という、無意識からの大きな波動=火事場の馬鹿力が働くからです。

指導者は、むやみに「2倍やれ」と言ってはいけません。

もし言うなら、「2倍やらないと君のその目的は実現しないぞ」と目的意識に目覚めさせるか、やり方を根こそぎ変えるか、です。

それでは、「プラス1」を要求し。それを拒否するメンバーがいたら、どうすればいいか?

負けを経験させればいいのです。
そうすれば、隣りのライバルが「プラス1」で目標達成する姿を見て、マネするようになります。

2倍の業績を上げるなら「トップコール営業」がいい

ちなみに、「2倍」の業績を上げ、勤務時間をステイするなら、やり方を丸ごと変えることをお奨めします。
そうしないと、健康に悪いからです。

やり方を丸ごと変えるとは、どういうことか?

参考までにですが、私の体験上で言うと、「トップコール営業」が最適です。
言い換えると、ダイレクトに社長に営業をかけることです。

そうすれば、契約の単価は倍になり、広い人脈の中から紹介営業が発生します。

・社長には転勤がありませんから、安心しておつき合いできます
・決裁権がありますから、大きなお金を動かせます
・親しくなれば、ライバルがいなくなります

これが習慣化できれば、勤務時間内で生産性を倍にできます。

現状の業績を上げるなら「プラス1」、2倍の業績をめざすなら「やり方を丸ごと変える」ことです。